「濡れ衣を着せられた~」
こんにちは、語源調べが趣味のIsajiです。
よく、「濡れ衣を着せる」とか「濡れ衣を着せられた」とかって言いますよね。あれって、勿論意味は分かりますが、語源って何なんでしょうか?
昔、ちらっとテレビの番組で観たことがあったのですが、しっかりとは調べたことが無かったんですね。
そこで今回、濡れ衣の語源をいろいろと調べた結果、とある実話に行きつきました。
濡れ衣の語源は勿論、その類義語や最もありがちな濡れ衣事件のパターン、更には英語ではどう言えば良いのか、等について書いてみました。
では最初に、濡れ衣の語源についての主な物を3つ、御紹介します。
この記事でわかること
濡れ衣の語源で有力説を3つ紹介
濡れ衣の語源として最も有力な説は次の3つとされています。
- 博多の悲しい話語源説
- 海女(あま)さん語源説
- 神事語源説
ではそれぞれの説について詳しく解説を加えていきたいと思います
【1】博多の悲しい話語源説
奈良時代に佐野近世という役人がいました。彼は筑前守に任ぜられ、妻と娘(春姫)を伴い、京から博多の地へやってきました。
ところが長旅の心労で妻は亡くなってしまいます。その後、近世は再婚します。問題はここからです。この後妻さん、余りにも綺麗な春姫を良く思っていませんでした。
そこで、後妻さんは漁師を金で雇い、「自分の釣り衣を盗んでいく」とウソの証言をでっちあげさせます。
そして、後妻さんに促されて近世が春姫の部屋をのぞいてみると、部屋には漁師の濡れた釣り衣がありました!
これを見て驚いた近世は眠ってる春姫に刀を振り下ろしてしまったのです・・・。後に春姫は無実だったことが分かったのですが、先ずは眠っている春姫を起こして問いただすべきでしたね。
このことから後に、無実の罪を被せることを「濡れ衣を着せる」というようになったとのことです。
博多にはこの春姫を供養するために「濡衣塚(「れ」は表示されていない)」という供養碑が建てられています。
「濡衣塚」の場所はこちらになります。↓
【2】海女(あま)さん語源説
海女さんは濡れ衣を着て海に潜るが、潜ることを「潜く(かずく)」と言います。
一方、他人に損害や責任を負わせることを「被ける(かずける)」と表現しました。
この両者をかけて「濡れ衣」を無実の罪を負わせる、という意味で使うようになったのだそうです。
何だかこじつけにしか聞こえないのは私だけかなぁ?
【3】神事語源説
濡れた衣服が早く乾けば無罪、乾かなければ有罪とする、神の意志を受けた裁判がかつて存在していて、この神事が語源とされています。
でも、これって「早く乾く」と言っても、具体的にどれくらいの時間のことなんでしょうかねぇ?濡れ具合にもよりますし・・・。信ぴょう性は低いような気がしますね。
ところで「濡れ衣」と同じ意味で使われる別の言葉(類義語)って知ってます?次章では濡れ衣の類義語について簡単に触れてみましょう。
「濡れ衣」の類義語は?
濡れ衣を着せられることを「冤罪」と言います。これ自体、法律用語ではないようです。
ところで、冤罪事件で最も身近なものというと何をイメージしますか?それは「痴漢冤罪事件」ではないでしょうか。そこで次は、痴漢冤罪事件について簡単に触れておきたいと思います。
最もポピュラーな冤罪事件~痴漢冤罪事件~
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ここでは、主に男性が受けやすい濡れ衣「痴漢冤罪事件」について見ていきましょう。そのパターンは主に3つに大別されます。
- 示談金目当て
- 勘違い
- 犯人を間違える
痴漢冤罪は特に男性が受けやすい事件だと思いますが、パターンは主に上の3つに大別されます。順番にざっくりと見ていきます。
示談金目当て
示談金を目的に痴漢を誘発させるケース。何もしていないのにでっちあげるケースもあるらしい・・・。
勘違い
満員電車で、カバンが臀部に当たっただけなのに、痴漢と勘違いされて通報される場合。両手を常にホールドアップしておくしかないですね。
犯人を間違える
実際に痴漢被害にあった女性が、真犯人とは別の男性を犯人と誤認するパターン。3種類の中で最も多いようです。
さて、こうした濡れ衣や冤罪ですが、英語ではどのように表現されるのでしょうか?今度はここを見ていきます。
「濡れ衣」って英語で何て言う?
英語で「濡れ衣を着せる」、つまり無実の罪を着せる、といった意味の表現はあるのか調べてみました。
「スケープゴート」って聞いたことはありましたが、そういう意味だったんですね!「スケープゴートにされた」なんて言い方をしますよね。使い方は次のようになります。
意味;「私は無実の罪を被せられた。」
スケープゴート、改めて覚えておきましょう。
では最後に、今回の内容をおさらいしてみましょう。
まとめ
濡れ衣の語源、個人的にはやはり春姫の話が具体的で、供養碑も有る事から、信じてしまいますね。
- 「濡れ衣」の語源のもっとも信頼できるものは「博多の春姫の話」
- 「濡れ衣」の類義語は「冤罪」
- もっともポピュラーな冤罪事件は「痴漢冤罪事件」
- 濡れ衣は英語で「Scapegoat(スケープゴート)」
今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。