「ヤブ医者の『ヤブ』って何?藪のことなの?」
こんにちは、Isajiです。^^/医療職の端くれとして日々患者さんと向き合っています。
世間で腕の悪い医者のことを「ヤブ医者」って言いますよね!あれって何が語源か知ってますか?私も気にはなっていたのですがよく知りませんでした。
ちょっと昔、たまたまテレビでヤブ医者の語源を扱った番組を観て、とことん気になったので早速調べてみたんです。
そしたら意外な事実が分かりました。元々は良い医者のブランド名だったんですよ!
そこで今回は「ヤブ医者」の語源と、何故腕の悪い医者のことを言う様になったのか、更には簡単に出来る名医の見分け方も解説します。
では、早速「ヤブ」の語源から一緒にみていきましょう。
この記事でわかること
「ヤブ」って何のこと?
先ずはこちら↓の動画を御覧下さい。ヤブ医者の語源や由来がとても分かり易く解説されています。
どうですか?「へ~!」って感じじゃないですか?ではもう少し詳しく見て行きますネ。
ヤブ医者のヤブは竹藪の藪だと思っている人も多いと思います。私も元々そう思っていました。竹藪から適当な草や木の根を採取して、薬として処方する、腕の悪い医者のことだと、どこかで聞いたことが有ったんです。
しかし今回、しっかりと調査した結果、ヤブ医者というのは元来、腕の良い医者のブランド名だったことが分かりました!
但馬国養父は現在の兵庫県養父市ですが、養父市では平成26年から「やぶ医者大賞」を設置し表彰しています。歴代表彰者を見ると地域医療に貢献している医師が選ばれている様ですよ。
勿論、やぶ医者大賞の「やぶ」とは、本来の意味、即ち「名医」という意味での表彰です、お間違え無くw
ですが、表彰される先生方の顔は「喜んで良いのかどうなのか・・・。」と言った複雑な表情をしておられます。^^/
写真は載せられませんが、記事末尾の「参考サイト」に養父市のホームページURLを記載しましたので、気になる方はそこから御覧下さい。
さて、次に養父の医者が名医と言われる由来となった江戸時代の医師を紹介します
養父の名医
長島家は元々は現在の養父市の医師の家系でした。長島的庵の父、瑞得(ずいとく)は第五代将軍綱吉の奥医師となります。
江戸幕府将軍家の主治医。将軍やその奥方、側室、子息の診察や健康管理を担当した。
瑞得の息子、的庵も父の跡を継いで医師となり、54歳の時に奥医師となります。この的庵が後に「天下一の名医」と言われるようになり、長島家が養父の出身であったことから「養父の医師=名医」というブランドが確立しました。
ところが、いつの時代でも悪徳商法というものは有るようで、養父ブランドを利用して金儲けを企む悪徳医者が出現します。
偽養父医者の出現
養父の出身でも養父の名医の弟子でもないのに、「自分は養父医者の弟子である」等と養父医者ブランドに便乗し、高い治療代や薬代を荒稼ぎする者が現れます。
医者としてはたいしたことない訳ですから、当然治療も薬も効きません。ですが、治療代だけは高額。これでは悪評が流れますよね。
今の医師国家試験の様な、国が認めた身分証明書の様な物が無い時代ですからねぇ・・・。言ったもん勝ちだったようですから患者には名医か偽名医かなんて分かるはずがないです。
こうして偽養父医者が増えて行った結果、「養父の医者は腕が悪い」というレッテルを張られる事になっていきました。
身分証明書も写真も無い時代ですから、偽名医が増えても仕方なかったかも知れません。ですが、資格制度が確立し、ネット社会となった今でも名医か名医でないかはなかなか一般人には分かり難いですよね。
そこで次に、名医とダメ医者の見分け方をお伝えします。
名医の見分け方
- クリニックは看板をチェックしよう
- 「〇〇専門医」という肩書は安心か?
- 「教授」=「名医」じゃない!
- 診察室に入った時に患者の方を向いていれば名医
ではそれぞれを詳しく見ていきます。
クリニックは看板をチェックしよう
クリニック(法律的には診療所=19床未満の医療機関)の場合、看板にいくつも診療科目を並べている場合は信用できない。
医師免許が有れば、看板に標榜する診療科目は何を掲げても問題は無いんです。ですから、「内科 外科 耳鼻科」と書いても良い訳です。
これを見て患者側は全て専門だ、と思ってはいけません。通常は一番最初に書いてある診療科目が専門であることが多いでしょう。
「〇〇専門医」という肩書は安心か?
「〇〇専門医」、という肩書が待合室や診察室に掲げられているのを見掛けますよね。あれも信じてはいけません。
専門医の称号は学会に入っていたり、一定回数学会に出席していれば自動的に与えられる肩書なんです。国が認めた訳では無く、学会の単なる金儲けの手段として称号を与えているだけなんですね。
「教授」=「名医」じゃない!
よく医療ドラマで描かれるのですが、教授は「学内選挙」で決まるらしいです。まぁ、政治的要素が大きいんですね。つまり、どれだけの患者さんを診て、どれだけの手術をして等の実績は関係ないんですね。
診察室に入った時に患者の方を向いていれば名医
名前を呼ばれて診察室に入った時に、医者がどちらを向いているかも名医かどうかを見分ける大変重要なポイントですよ。
これが唯一患者側から直接医者を見て判断出来る材料ですね。診察室に入った際、体がデスクやパソコンの方を向いてたら「アウト!」です。
どうしてか、その理由を説明しましょう。
我々理学療法士もそうですが、医療の場合、患者さんの何気無い動作や表情からかなりの情報を得ています。
患者さんが「これから診察だ」と思って緊張している場面だけでは得られない、通常の様子、即ち「ドアを開けて診察室に入って来る動き」、ここからも多くの情報が得られるんです。ですから、患者側も診察室に入ったら先ずは医者がどこを向いているか、ここをチェックしましょう!
以上、今回はヤブ医者の語源と名医の見分け方について書いてみました。ではおさらいです。
まとめ
養父の医者の名誉回復の為にも「ヤブ医者」の語源はしっかりと知っておきましょう。
ではまとめてみます。
- 「ヤブ医者」は元々は「養父の医者=名医のブランド」だった
- 養父医者を名乗る、腕の悪い偽者が増えた結果「ヤブ医者=腕の悪い医者」の意味になった
- 診察室に入った時に患者の方にしっかりと向いている医者は良い医者
今度医者にかかったら、診察の最後に「先生は養父医者ですね。」って言ってあげて下さい。語源を知らない医者だったら一々説明しないといけないですが^^;
今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。