こんにちは、歴史大好き人間のIsajiです。
歌舞伎役者さんが演じるにらみってご存知ですか?市川海老蔵さんが、何かのセレモニーやテレビ番組などで時折披露しているのを見掛けたことがある人もいると思います。
あれって、ただの寄り目を、思いっきり力んでやっているだけじゃないんですよね!結構ふか~い話が隠されていたんです。
ということでですねぇ、今回のテーマは歌舞伎のにらみについてです。にらみの意味や由来、寄り目との違いなどについて調べてみました。
更に合わせて、我々素人にも出きるにらみの練習方法についても、解説していますので、ぜひご覧ください。
では先ずは、にらみの意味から一緒に見ていきますよ。
この記事でわかること
にらみの意味や由来とは
にらみをしてもらうと、邪気払いになると言われているんですね!では、どうしてそう言われるのか、先ずはにらみの意味から見ていきます。
にらみの意味って?
成田屋(市川家)だけに伝わる邪気払いの所作。
にらみというのは、見得と呼ばれる決めポーズの一部で、「邪気払い・厄除け」の意味があるんです。また、代々市川家に伝わるお家芸での一つで、他の歌舞伎家は演じないのが習わしとなっています。
ではなぜ、邪気払いの意味が込められるようになったのでしょうか?それは、にらみの由来を紐解くことで見えてきます。
にらみの由来は?
不動明王のポーズが由来
にらみは見得の一部のようです。見得には次のような由来があります。
子供に恵まれなかった初代の市川團十郎が、成田山新勝寺に祈願したところ、子供を授かった。そこで、そのお礼の意味を込めて「成田山分身不動」という演目を演じ、その中で不動明王の形をヒントにポーズを取る演出をした。
演目の中で、観客を注目させるために、動きをグッと止めて、独特のポーズを取るのが見得。今で言う、テレビのアップの場面みたいな感じですね。
更に、この見得の中でも特殊な目の形をするのがにらみ。このにらみは市川家だけが行うお家芸だそうですよ。
団十郎ににらんでもらうと、一年間、無病息災で過ごせるそうです。ぜひ一度にらんでもらいたいですね。歌舞伎を観に行かなくちゃ!
さて、さきほど、見得の一部がにらみ、と書きましたがそこのところをもう少し掘り下げて見てみましょう。
にらみと見得って違うの?
見得・・・演目の場面の一部
にらみ・・・特別な席のみで行う
見得は各演目の一部として、一連の演技の中で、演技の一部として行われます。これに対しにらみは、何らかの特別な席(襲名披露やお祝いの席など)で、祝賀的なパフォーマンスとして披露されるものなんです。
例えるならば、お笑い芸人の一発ギャグのようなものでしょうか?「アレやって~!」「コマネチ!」みたいな^^
にらみと寄り目って違うの?
にらみは両方の目が全く違う方向を向いている
一瞬、理解不能ですよね!例えば右目が正面を見ている時は左目は寄り目、右目が寄り目の時は左目は中央を見ている、といった具合です。
つまり普通の寄り目ではないんですよ!目の毛細血管が切れそうです!
実はこれ、以下のように、ちゃんとした意味があるそうです。
- 天と地を同時ににらむ
- 広い客席全体を見ていることを表現する
- どこも見ないことにより、光を放射する
調べてみて、3つ目のはちょっと意味不明でした。分かる方、是非ご連絡ください。^^
では次に、にらみを素人がやる場合の練習方法について解説しておきましょう。
素人にもできる!にらみのやり方
歌舞伎役者さんは子供の頃からやっていたら、いつの間にかできちゃった、って感じみたいですが、素人にも出来るのでしょうか?
その方法が分かりましたので順番に見てみましょう!私も鏡の前で練習したり、家族に見てもらったりして練習していたら、意外と簡単に、数時間の練習でできてしまいました。
ポイントは「ぼや~」と見える感覚ですよ!
最初は寄り目から
基本の形は寄り目です。どちらでも良いので、人差し指を、肘を伸ばして目の目に出します。
次にその指を両目で見たまま、指を少しずつ鼻に近付けていきます。
人差し指が鼻に付いた時点で寄り目が完成です。
人差し指を外す
寄り目になった段階で、人差し指を外してみましょう。それでもしっかりとキープ出来ていればオッケーです。
もし視界がはっきりしていたら失敗ですので、再び人差し指をかざすところから挑戦してみて下さい。
片目だけ正面に向ける
寄り目が、人差し指なしでもキープ出来るようになったら、次はいよいよどちらか一方の目を正面に向けていきます。
先ず、先ほどの寄り目同様、目標物を決めて下さい。何か目標を定めた方が、何もなしでやるよりもやりやすいですよ。
最初はその目標物を両目で見ます。
次にどちらか一方の目だけを、先ほどの感覚で寄り目にしていきます。この時、もう片方の目は目標物を見たまま。いかにも不思議なことをやります。
感覚的には、「なんともピントが合わないなぁ」って感じたら成功していることが多かったです。
一人暮らしの方や、家族に見られたくないって方は、スマホの自撮り機能を使って、撮影してはチェックする、これを繰り返して練習してみてはかがでしょう。
では、最後にまとめです。
まとめ
歌舞伎のにらみってただの変顔じゃなかったんですね!
- にらみには邪気払いの意味がある
- 不動明王の形がモチーフ
- 見得は演目の中の演技の一部。一方にらみは特別な席で見せるパフォーマンス
- にらみは「天と地を同時に見渡す」という意味で、左右の目が違う方向を向いている
- 素人でも練習すればにらみが出来るようになる
いかがでしたか?歌舞伎の見せ場の一つであるにらみについて見てきましたが、自分でも出来るようになったら楽しいですね。歌舞伎をより身近に感じられますよ。
今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。