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歌舞伎由来の言葉おもしろ20選!実はアノ言葉もそうだった!

投稿日:2018年6月9日 更新日:

どうもぉ~、Isajiです。

私は歴史や由来を調べるのが大好きで、暇さえあればググってます♪そんな私が今回気になって調べたのは、歌舞伎発祥とされている言葉たち。

普段使っている言葉の中には、歌舞伎の世界に由来するものが意外とあるんですよねぇ。例えば、「めりはり」や「なあなあ」など。

こうした、日頃当たり前に使っている言葉で歌舞伎に由来するものを20個厳選でお伝えします。

また、合わせて、歌舞伎を観劇するとよく聞かれる「成田屋~」「音羽屋~」などの屋号の意味やその他のトリビアについても書いていますので、ぜひ一緒にご覧ください。

では、早速歌舞伎由来の言葉を20個、じっくりと見ていきましょう。

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歌舞伎由来の言葉厳選20

先ずは今回ご紹介する言葉を、アイウエオ順の一覧表にしてみましたのでご覧下さい。

言葉
ア行板につく

一枚看板

裏方

お家芸

大詰め

御曹司
カ行極め付き

黒幕

こけら落とし
サ行捨て台詞

千両役者
タ行だんまり

とちる

泥仕合
ナ行なあなあ

ノリ
ハ行花道
マ行幕を引く

見せ場

めりはり

ではそれぞれ順番に見ていきます。

【1】板につく

  • 板・・・板張りの舞台
  • つく・・・見事に合うこと

経験豊富な役者の芸が、舞台とうまく調和していることからきている。転じて、態度や物腰が、その人の職業や地位にふさわい状態を言います。

今回、この言葉を調べるまでは、「かまぼこ」に関係して派生した言葉だと思っていました。もしかしたらそうした説もあるかも!^^

【2】一枚看板

歌舞伎の劇場前に掲げられた大きな看板のこと。そこに、主役となる役者の名前ではなく、姿を現す絵が描かれていた。
主に上方(京都や大阪など)の劇場で使われていた言葉。

現在では、組織の中心的人物のことを言うようになりました。「君はわが社の一枚看板だ!」なんて言われてみたいですね。

【3】裏方

舞台の裏で、いろいろな仕事をする人の総称。道具方・小道具方・床山・衣装方・照明方などがある。

ここから転じて、表に出ないで、裏で実質的な仕事をする役割のことを言うようになりました。

職場だと、掃除のおばちゃんなんかは正に裏方さんですよね。

【4】お家芸

歌舞伎役者の家に代々伝わる、得意とする芸。

特技や取り柄、長所などと同義ですね。歌舞伎に由来する同義語として「十八番」があります。

十八番の意味や由来について調べた記事はこちらになります。
十八番の意味や由来は?3つのポイントを徹底調査しました!

【5】大詰め

江戸時代の歌舞伎は2部構成になっていて、第一部の最後の幕のことを「大詰め」と呼んだ。

今では、物事の最終段階のことを「大詰め」と言っていますよね。「ペナントレースも大詰めを迎えました!」なんて使い方をします。

【6】御曹司

「曹司(ぞうし)」とは、もともとは、平安時代の役所にあった部屋のこと。やがて、貴族の邸内の部屋を表す言葉になった。
「御曹司」とは、名門貴族の子息のことを言っていた。

「曹司」のもともとの語源は、平安時代の役所の部屋のことだったんですね。それが、次のように転化していきました。

役所の部屋→貴族邸内の部屋→貴族邸内に部屋を与えられて使える人

そして、この「曹子」に「御」が付いて、「貴族の子息の中で、独立していない者」のことを言うようになったんですね。

これが歌舞伎の世界で、「名門家に生まれ、いずれは大名跡を継ぐことが定められている男子」のことを言う言葉として、歌舞伎界で使われるようになっていきました。

そこから、現代では金持ちの息子のことを指す言葉として使われています。「ぼんぼん」なんて言い方もしますよね。

大事に大事に育てられた子息、ってイメージがありますが、実際は跡継ぎですから、かなり厳しく育てられるんでしょうね!

【7】極め付き

他の役者が真似出来ないほどの優れた芸のこと。「極め」は、「極書」や「極札」の略称。極書、極札とは、それが名品であることを表す証明書のこと。

もともとは、他に類のないほどの名品であることを証明する書面が付けられた品、という意味だったものが、歌舞伎界で、「他の役者が演じることができないほどの名人芸」という意味で用いられるようになっていったようです。

一般的には「彼は、二刀流では極め付きの選手だ」などと使いますね。

類似の言葉とし「太鼓判を押す」や「折り紙付き」などがありますが、これらについても気になる方は、私の別記事↓も合わせてご覧下さい。
「太鼓判を押す」の意味は?「折り紙付き」「お墨付き」との違いも!

【8】黒幕

歌舞伎の舞台で、夜の場面を表す時に用いる、黒い幕のこと。

舞台で、黒い幕の陰で舞台を操ることから転じて、「自分は表に出ず、陰で物事を操る人」という意味で使われるようになっていきました。

また、「幕」は「一般には立ち入る事が出来ない場所や人」のことも表すようになり、「政界の黒幕」なんて言い方もしますよね!あまり良いイメージの言葉ではない気がします。

【9】こけら落とし

「こけら」・・・材木を削った時に出るクズのこと

劇場の新築・改築の最後に屋根のこけらを払い落とすところから転じて、その劇場での、最初の興行のことを表す言葉として用いられます。

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【10】捨て台詞

台本には無く、役者が臨機応変にアドリブで言う台詞。その場に応じて使い捨てる言葉のこと。

これは主に役者が、舞台を退場する時に話されることが多かったことから、「別れ際に、相手に返事を求めず、言い捨てる言葉」という意味で使われていますよね。

これがまさか、歌舞伎の言葉だったとは知りませんでしたね。今では相手を侮辱したり、軽蔑したりする際に使われる印象がありますが、本来は役者のアドリブのことだったんですね!

【11】千両役者

1年間で千両(約1億円)稼ぐ役者。最初の千両役者は二代目市川團十郎とされている。

現在の意味としては、「才能や力量が他から抜きんでている人」のことを言います。プロスポーツ選手に対してよく使われますね。

例えばプロ野球で、良い場面でホームランを売ったりすると、「さすがは千両役者!」なんて言ったりします。

【12】だんまり

暗闇(という想定)の中で、数人の役者が、互いに一言もしゃべらず、探り合いをしながら舞台上を動く演出。

ひえ~!知らなかった!「だんまりを決め込む」なんて言い方を結構見聞きしますが、歌舞伎の演出の一手法だったとは!演出上の、「一言もしゃべらず」ってとこだけがクローズアップされて、慣用句として使われてきたんですね。

【13】とちる

こんな言葉も歌舞伎からっ!?って感じですよね。語源は次の通りです。

台詞を言い間違えたり、演技を間違えたりすること。

これはほぼそのままの意味で慣用句化してますね。何かをやり損ねたり、間違えたりすること、という意味で使われます。

【14】泥仕合

舞台に泥田(泥深い水田)を作り、その中で泥まみれで、争い合う演技を仕合うこと。

「試合」じゃなくて「仕合」と書くんですね、知らなかった。互いに、相手の欠点や秘密を言い合って非難し合う、という意味になります。

なるほど!「泥田の中で演技仕合う」の「泥」と「仕合う」を取って「泥仕合」になったんですね!

【15】なあなあ

内緒話の場面で、一方が「なあ」と言うと相手が「なあ」と返す演技。

「なあなあで済ませる」なんて言い方をしますよね。これも歌舞伎の演出が由来だったんですね!相手と適当に折り合いを付けて、物事を済ませることを言いますが、これもあまり良い印象の言葉じゃないですよね。

【16】ノリ

お囃子(はやし=音楽)に乗って演技すること。

その場の雰囲気に合わせて、調子のよい事を言ったり行ったりすることを表す言葉ですよね。これもまさか歌舞伎言葉だったとは意外でした。

【17】花道

客席後方から舞台に繋がる道。主に役者の登場や退場に使われる。

なぜ「花」というのかも調べました。当初はお客さんが役者に祝儀を渡すための道として作られたそうで、祝儀のことを歌舞伎界では「花」と呼ぶそうです。ここから「花を渡す道」→「花道」となりました。

今では「引退の花道を飾る」なんて使い方をしますよね。

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【18】幕を引く

幕を引くことで芝居の終結を表していた。

ここから転じて、「物事の終わり」を意味します。

【19】見せ場

芝居の中で、最も重要な場面や盛り上がる場面。

現在は、「見る価値のある場面」という意味で用いられます。「今日の試合最大の見せ場がやってきました」なんて言い方をしますよね

【20】めりはり

声をゆるめることと張ること。台詞の抑揚。

これまた歌舞伎言葉だったとは!台詞を、緩急を付けて話すことで観客にはっきりと聞こえるように工夫していたんですね。「ゆるめる」の「める」と「張る」を足して「めりはり」なんですね!

「生活にめりはりをつける」「めりはりのきいた歌声」などと使いますね。

以上、20個の言葉をざっと紹介してきました。いかがでしたか?「こんな言葉が?」ってびっくりするような言葉が結構あったと思います。

ところで、歌舞伎を観劇すると、「松嶋屋~!」「成駒屋~!」などの掛け声がどこからともなく飛んできますが、この「屋号」っていったいなんなのかが気になりましたので、調べてみました。

歌舞伎の屋号の由来とは?

江戸時代、役者はもともと、身分制度上は「非人(今で言う路上生活者)」扱いされていた→町奉行所の裁きで「良民」と認められ、表通りに店を出すようになった。その後、役者同士が店の屋号で呼ぶようになった。

はじめ、役者は路上生活者扱いされていたなんてびっくりしました。自分の家を構えることを許されていなかったそうです。

そこで、河原に住んでいました、そのため、「河原者」とも呼ばれていました。彼らは井戸掘り、行商、造園などを正業としていたのですが、中には役者をして生計を立てる者もいました。

その中の一人が町奉行所に、良民と認めて欲しいと訴え、1708年に認められます。

そして、ここからが、屋号が生まれる流れなのですが、もともとは非人とされていた者たちが、良民と認められ、表通りに副業として小さな商店を出し、商売を始めます。

その後、役者同士、お互いを「〇〇屋」等の屋号で呼ぶようになったんですね。このことが慣行化して、今のように役者を屋号で呼ぶようになりました。

今回調べるまでは、役者のスポンサーさんの屋号かなぁ、って思ってましたが全く違っていました。

そういえば東京に歌舞伎町ってありますよね!あれってそもそもどこから来ているのでしょう?

最後にこの疑問についてまとめてみました。

歌舞伎町の由来とは?


今では有名な歓楽街となった歌舞伎町ですが、歌舞伎座はないのになぜこの町名なのでしょうか?答えは次の通りです。

歌舞伎場を中心とする復興事業計画によって、歌舞伎町と名付けられたが、その後、財政難から実現せず、歌舞伎町という町名だけが残った。

1945年の東京大空襲で、現在の歌舞伎町一帯は焼け野原となります。そして、戦後復興事業として、歌舞伎場を中心とした、復興都市計画がまとめられたそうです。

その計画の中で、町名を歌舞伎町とすることも決まっていました。しかし、資金の目途が立たず、計画は打ち切られ、町名だけが残った、ということなんですね。

では最後に今回の内容をおさらいしておきましょう。

まとめ

  1. 歌舞伎に由来する言葉には「捨て台詞」や「とちる」など、意外なものが結構ある。
  2. 歌舞伎の屋号はもともと、身分制度上家を持てなかった役者が、家を持てる身分と認められ、表通りに店を構えるようになったことに由来する。
  3. 歌舞伎町は、戦後の復興計画で決められた。歌舞伎場を造る予定だったが造られず、町名だけが残された。

どうでしたか?普段何気なく使っている言葉に、意外と歌舞伎からきているものがありましたね。

ここまで見てくると、歌舞伎自体の歴史って知りたくなりませんか?安心してください、歌舞伎の歴史に関する記事もありますよ。↓
歌舞伎の歴史を簡単に知ろう!始まりは巫女のダンスだった!?

今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。

★参考サイト★

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プロフィール

         Isaji

信長で有名(?)な岐阜市の病院に勤務するアラフィフです。 元々は国税専門官なんていうお堅い仕事をしていたこともあります。

時代劇が大好きです。マジックも大好きで、マジックグッズのコレクションが趣味です。

また、’08年と’10年 にNHKワンポイント介護という番組に15回出演させて貰いました。

毎日を少しでもお得に、そして楽しく過ごすための情報を求めて街を探索することが、休日の日課になっています (^^)v

 

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