少し昔、将棋の世界で世代交代が起こりました。
今まで将棋を知らなかった人も将棋に興味を持ち始め、将棋のゲームソフトが売れ行き好調で、将棋教室も盛況だと聞きます。
そんな昨今、日常会話のふとした時に使う言葉に、意外と将棋に由来する言葉が有ることに気付きました!
皆さんは気付いていましたか?
そこで今回は将棋を別の角度から見ることで、改めて将棋を身近に感じてみたいと思い、将棋の言葉から派生した日常言葉をいくつか御紹介します。
更に、将棋の駒の言葉の意味や将棋の歴史についても軽く触れていますので、是非最後まで御覧下さい。
この記事でわかること
将棋に由来する言葉たち
先ず始めに、将棋の言葉に由来すると言われている言葉を、いくつか見て行きましょう。
成金
一番弱い駒とされる「歩」が相手の陣地に入ると「金」になることに由来する。
大した計画も無しに短期間で急に金持ちになった人の事を軽蔑的な意味を込めて使う事が多い様です。
「土地成金」「株成金」等と言いますよね。
詰み
王将が囲まれて逃げ場がなくなることですね。つまりお仕舞。
SNSやネット掲示板の普及で若者が使い始めて一般用語となっていった様です。
「もう終わり」「ゲームオーバー」「人生終わった」等の意味で使われています。
先手を打つ
相手より先に打つ事。将棋では先手と後手が有りますね。
一般的には先に攻撃をしかけることや、起こり得る事態に備えて先回りすること、という意味で使いますね。
「我が身を守る為に先手を打つ」等と使います。
後手に回る
将棋では後攻め。後から打つ事。
普段は、相手に先を越されたり先に攻められたりして、受け身の立場になることを言いますね。
高飛車
将棋では、飛車先の歩 を進めて、飛車が2マス上に出た形のこと。
相手に対して高圧的物を言ったり事を進めたりすること。
「高飛車な物言い」「高飛車に出る」なんて言いますね!「タカピー」なんて言い方も有ります^^
王手
将棋ではあと一手で相手の王を取れること。
転じて勝負の世界で、次で勝利が決まる、という時に使われる。
野球で、優勝マジックが1になると「優勝に王手がかかった!」なんて言います。
将棋倒し
将棋の対局では使われない。将棋の駒を間を置いて並べ、一端を倒して、次々に残りの駒を倒す遊びのことで、ドミノ倒しとも言いますね。
分かり易い動画が有りました!
一般的な意味としては、行列や人込みの多い場所で、誰か一人が倒れたのをきっかけにして、次々と、丸で将棋の駒が倒れる様に倒れる様子を言う言葉。
捨て駒
将棋では、駒をあえて捨てる作戦の事を言います。相手に自分の駒を取らせて、その駒を更に自分が取る作戦。
一般的な意味は、ある目的を達成する為に払われる人的な犠牲のことを言います。
両取り
将棋では、例えば「王手飛車取り」等と使います。つまり、2つの駒を同時に狙える一手の事。
一般的な意味には、何か2つの物を同時に狙える状況のことを指します。
一挙両得なんて言い方と同じですね。
将棋の駒の由来
以上、将棋の言葉から派生した一般用語を見て来ました。
所で、将棋の駒には「玉将」「金」「銀」「桂」「飛車」「角」「香」「歩」等が有りますよね。
これらの言葉の意味って、知っていますか?あまり考えた事も無いのではないでしょうか?
そこで、、ここからは将棋で使われる駒の言葉の由来を見て行きましょう。
一列目
一列目の駒「玉将(王将)」「金将」「銀将」「桂馬」「香車」はどれも宝を意味している。
- 「玉(王)」→宝玉
- 「金」→金(そのまんまの意味)
- 「銀」→銀(これもそのまんまの意味)
- 「桂」→肉桂(シナモン)というスパイスの一種
- 「香」→香料、香木等
将棋の原型は平安時代に出来たとされていますが、当時はどれも大変貴重で、お宝とされていました。
二列目
二列目の駒「飛車」「角」はどちらも戦車を現しています。
- 「飛車」→馬車
- 「角行」→牛車
三列目
三列目の駒「歩」は兵士を意味している。
「玉」と「王」の違いは?
元々将棋駒には「玉将」しかなかった様です。実際、平安将棋には「玉将」は有りますが「王将」は有りません。
では何故「王将」が生まれたのでしょうか?
豊臣秀吉が将棋を指す時に玉よりも上という意味で「王」にこだわったから、との説も有りますが、定説は無い様です。
慣例的に、上手い方が「王」を、下位の者が「玉」を使います。
将棋の歴史は?
さて、ここまでは、将棋用語から派生した言葉や、将棋の駒の言葉の意味について見て来ました。
この様に、日常の会話にも影響する程の将棋ですが、そもそもどの様にして始まったのでしょうか?
そこで本章では将棋の歴史的な流れについて見て行きましょう。
この様な流れで日本に伝わってきた様です。
最古の将棋の駒
1993年(平成5年)に、奈良県興福寺の境内から将棋の駒が発見されました。
これが、現在では最古の駒とされています。
「天喜6年(1058年)」と書かれた木簡と共に出土しており、駒の年代が特定されています。
この時から五角形をしていた様です。
現在の将棋の確立
駒の種類やマスの数は時代と共に変化して行きます。
当初の物を平安将棋と呼んでいますが、始めは「平安大将棋」と「平安小将棋」の2種類でした。
14世紀には大将棋が複雑になったため、これを簡略化し、中将棋が生まれました。
そして、16世紀に入り、小将棋から「醉象」と呼ばれる駒が除かれ、現在の「本将棋」になった様です。
プロ棋士の誕生
現在、数々のプロ棋士が活躍していますよね!
その始まりは江戸時代に有ります。
1612年、徳川幕府は本因坊算砂等に俸禄を与えました。これがプロ棋士の誕生ですね。
1716年(享保元年)、八代将軍徳川吉宗が、将軍の御前で指す「御城将棋」を年に一度、11月17日に行うことを制度化します。
これにより将棋は更に保護され、発展していきました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は将棋にまつわる雑学でした^^/
では最後に今回の内容をまとめてみます。
- 「タカピー」は元々は「高飛車」という将棋用語が由来
- 現存する最古の将棋の駒は1058年のもの
- 徳川幕府によりプロ棋士が誕生した
老若男女が楽しむ将棋ですが、プロの世界では年齢関係無く、中学生でも一人前と認められる世界ですよね!
今度テレビで将棋を観る時は、言葉の意味や歴史の事も頭に描きながら観たいと思います。
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今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。
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