こんにちは、
私は小学生の頃、習字教室に通っていました。その頃取った段位の認定証が今でも壁に飾ってあります。
当時は、友達がみんな行っていたし、習い事に興味を持ちはじめた頃で、何も考えずに通っていました(^^♪
ところが最近、親類の子供が習字に興味を持ちはじめて、教室に通わせよう、ってことになったのですが、近くの教室を調べてみると「習字教室」と「書道教室」があったんです!
それで、「習字と書道ってどう違うの?」ってことに・・・。
あと、習字や書道と似た言葉に「書写」っていうのもありますね。これも「どう違うんだろう?」と気になってしまいました。
そこで今回は、習字と書道と書写のさまざまな違いについて、納得いくまでトコトン調べてみました。
またあわせて、習字教室と書道教室のどっちに通えば良いのかや、最初に揃えるべき物などに関する情報も解説しています。
では順番にご覧ください。
この記事でわかること
習字・書道・書写の定義の違いは?
最初に3者の違いを、比較表にまとめてみましたのでご覧ください。
定義 | 主な対象者 | 科目 | |
---|---|---|---|
習字 | 字を習うこと。字の正しい書き順や、きれいな字の書き方を習う。 | 主に小中学生 | 国語科 |
書道 | 字で自己表現をすることが目的 | 字で自己表現したい人 | 芸術科 |
書写 | 文字を正しく書くこと。 | 主に小中学生 | 国語科 |
では順番に説明していきますね。
習字とは?
確かな意味を確認するために、先ずは辞書を調べてみました。それによると、習字の定義は次のようになります。
手本をもとにして、文字の書き方を習うこと。また、文字を美しく正しく書く練習。もと小・中学校の国語科の一分野で、現在は書写という。書き方。
引用元:三省堂 大辞林 weblio辞書
もう少し説明を加えてみます。
小学生の頃、「書き方」っていう授業がありました。これって、字を書く時の基本の形を習う授業ですね。つまり、先生や教科書のお手本を見て、その通りに書くことを目的とするものです。
では続いて書道について、確認していきますね。
書道とは?
こちらも同じく辞書を引いてみました。すると、書道の定義は次のようになっていました。
毛筆を使って文字を書く芸術。漢字を用いた中国文化圏で古くから発達。日本では仮名文字が作られたこととも関連して独特のものに発展し、世尊寺流・法性寺流などの諸流派が生まれた。
引用元:三省堂 大辞林 weblio辞書
どういうことかと言うと、習字で習った正しい字の書き方、きれいな字の書き方を基本とし、そこに自分自身の表現や個性を加えたもの、ということが言えるでしょう。
これだけではイマイチぴんとこない方もみえるでしょう。そこで参考になる動画を見付けてきました。先ずはそちらをご覧ください。
これは、毎年年末に発表される、日本漢字能力検定協会が主催する「今年の漢字」ですね。
2017年は「北」でしたが、大きな筆で、とても豪快に書かれていますよね。1文字に思いや感情が込められていて、芸術的なきれいさを感じます。
では、書写はどうなのでしょうか。
書写とは?
こちらも辞書によると以下のようになります。
① 書き写すこと。 「経文を-する」
② 小・中学校の国語科の一分野。文字を正しく書くことを学習する。
引用元:三省堂 大辞林 weblio辞書
私は①の「経文を書写する」の意味だけかと思っていましたが、意外にも②のように、「習字」と同じような意味もあったんですね!
お寺で写経をする時に使うものだとばかり思っていました。
実はこの言葉が「小・中学校学習指導要領」で用いられる正式な言葉のようです。
文部省(現文部科学省)は1958年(昭和33)改訂の小・中学校学習指導要領から、在来の「書き方」「習字」の呼称にかえて「書写」の語を用いることにした。
引用元:コトバンク 日本大百科全書
私が生まれる前から、「書写」が国の正式な科目名だったなんて知らなかった・・・。
社会的にはあまりなじみがなく、学校の教育現場でも「習字」が使われて、「書写」はあまり浸透していないみたいですね。
習字・書道・書写の定義まとめ
以上のことから習字・書道・書写の定義をまとめてみると、次のようになると思います。
- 習字と書写はほぼ同じ意味で使われ、「字をきれいに、正しく書く」こと。
- 書道とは、「習字や書写を基本とし、そこに芸術的表現を加えた」もの。
図で示すとこんな感じになるのかなと思います。
では続いて、それぞれの段位について見ていきましょう。
習字・書道・書写の段位の違いは?
私は書道教室で「3段」の認定証を取得しました。
ところで、こうした級段位というものは、習字や書道、書写ごとに認定されるものなのでしょうか?
そこがとことん気になったので、アレコレと調べてみたんです。
ですが、明確に示している資料が見付からなかったので、思い切ってとある書道教室に問い合わせてみました。すると次のような回答が得られましたよ。
■田中書道学院さんの回答■
級段位を認定する各団体が、認定する段位に「書道」や「習字」を付けて認定することは少ない。
回答入手先:田中書道学院
つまり、通っている教室が所属している認定団体ごとに、級段位の認定基準があり、それらは「習字」や「書道」を区別して認定しているわけではない、ということのようです。
大変丁寧なご回答をいただいた、田中書道学院さんには、感謝申し上げます。
一方、書写については級段位制度ではなく、「書写技能検定」と呼ばれるものがあるみたいです。
文部科学省が後援し、一般財団法人 日本書写技能検定協会が主催する検定制度で、検定試験が年に3回実施されています。
中学生が取得すると、高校進学時の内申書に記載出来たり、社会人の場合は、履歴書の資格欄に記載できたりするそうですよ!詳しくはこちらをご覧ください。
⇒ 一般財団法人 日本書写技能検定協会
習字・書道・書写の歴史的な違いは?
今回、3つの言葉の歴史について調べた結果、これらは国の学校教育政策において、順番に変化してきたことがわかりました。
以下、日本大百科全書の説明を引用してみます。
「習字」の語は室町時代に初出する。以降、寺子屋教育時代を経て明治時代まで広く用いられ「てならい」と訓読みもされてきた。
1872年(明治5)の学制施行にあたって、それまでの寺子屋教育の歩みを受けて、初等教育、中等教育とも毛筆による学習は「習字」の呼称で筆頭教科として位置づけられた。
43年には中等学校でも「芸能科書道」となって独立。「書道」の呼称が教科名として学校教育に初出することになった。
58年改訂の学習指導要領から小学校、中学校ともに硬筆・毛筆による学習を内容とする「書写」の呼称に統一されることとなった。
引用元:コトバンク 日本大百科全書
つまり時代背景にあわせて「習字」→「書道」→「書写」と変化してきたんですね。
それぞれが別々に発展してきたのかも知れないのですが、「学校教育」という視点からみると、その時代に必要とされる教育にあわせて、教える内容が変化し、呼び方もその内容にあわせて変遷してきたようですよ。
以上、習字と書道、書写の違いについてさまざまな点から確認してきました。
では、習字と書道、書写のうち、いったいどれを習えば良いのでしょう?今度はそんなところを見てみたいと思います。
習字・書道・書写のうちで習うならどれ?
「子供に習わせるなら?」とか「大人の自分が習うなら?」などそれぞれの立場でどれを習うかが違ってくると思います。
先ほどの定義のところで、習字と書写がほぼ同じような意味で使われていることがわかりましたので、ここでは習字教室と書道教室の2つに分けて見ていきたいと思います。それぞれの特徴や、近くの教室探しに役立つサイトをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいネ。
習字教室
今回調べた結果、小学校入学前から受け付けている所が多いようです。
ある習字教室の話だと、準備や後片付けが自分でできて、最低30分は座っていられることが最低条件になるみたいですよ。
教室によっては毛筆だけではなく、ペン習字も教えてくれるみたいです。
近くの習字教室を探すにはココがおすすめですよ。↓対象年齢は各教室で違いますので、行きたい教室が見付かった場合は、電話で問い合わせてみることをおすすめします。
■近くの習字教室を探す■
ちなみに月謝の相場は、週1回で3,000円程度のようです。ピアノ教室やスイミングスクールの相場がおよそ6,000円と言われていますので、意外と安いみたいですね。親の財布にやさしい習い事、と言えるのではないでしょうか。
書道教室
書道教室では、次のようなことを教えてもらえますよ。
- 楷書・・・基本の形を崩さず、一画一画を丁寧に書く。
- 行書・・・一画一画をくずしたり、省略したりして、よりスピーディーに書くことを重視。
- 草書・・・行書よりもさらに早く書くことを重視。一画一画の省略が大きくなる。
実は私が小学生の頃通っていたのは、書道教室でした。子供も大人も通っていましたね。
先ほど見ていただいた習字教室とは違って、書道教室では毛筆のみの練習になると思います。私が行っていた教室も毛筆のみでした。今から思えば、先生がその人に合った教え方をしていました。
小学生の私には楷書。一方、大人には行書や草書を教えていたんですね、何を書いているのかさっぱりわかりませんでしたから。
近くの書道教室を探すにはココがおすすめです。↓
■近くの書道教室を探す■
月謝の相場は習字教室と同じで、週1回通って3,000円ほどのようですよ。
ここでこの章をまとめておきますね。
- 「習字教室」と「書道教室」というネーミングだけでは、教えている内容はわからない。
- 習字教室は子供を中心にしているところが多い。一方、書道教室は大人が多く、芸術的な書を教えている傾向があることも事実。
このように言えると思います。
ここまでで、習字と書道の違いや、習う場合の参考になる情報をお届けしてきました。つづいて、実際に習う場合に、最初に揃えるべき物と、その費用についてご案内しましょう。
最初に揃える物とその費用をご紹介
習字(書道)道具とは?
習字道具・書道道具と言われるものは、主に次のものになります。
- 筆
- 墨
- 硯(すずり)
- 紙
- 下敷き
- 文鎮(ぶんちん)
何かを始める時に、必要な道具を揃えるのって、なんだかワクワクしませんか?私はこの瞬間が一番好きです。
以下、簡単に触れておきますね。
筆
これに墨を付けて字を書きます。名前を書く用の小筆もありますが、慣れると普通の筆で名前も書けるようになりますよ。ですが、最初は小筆もそろえておいた方が良いでしょう。
墨
硯の中で、水に溶かして使います。
最初から液体になっている、墨汁もありますが、墨をすりながら気持ちを落ち着かせていく過程が、習字や書道の良さの一つだと思います。
硯(すずり)
筆に付けるための墨を溶かして入れておくもの。
紙
これに字を書きます。
下敷き
机に直接紙を置いて書くと、墨が染みて、机が汚れてしまいます。下敷はそれを防ぐためのものになります。
文鎮(ぶんちん)
字を書いている時に、紙がずれないように、押さえておくためのもの。
一式の費用は?
道具一式の相場は、だいたい3,000円程からあるみたいですよ。こちらからお好きな物を探してみてはいかがでしょう。楽天市場のサイトへリンクしています。↓
男の子用、女の子用、大人用と、使う人に合わせて様々の種類のものがありますので、参考にしてみてください。
では最後に、今回の内容をまとめておきますね。
まとめ
いかがでしたか?
習字と書道って同じように思っていた方も多いと思いますが、意外と明確な違いがあったんですね。
では、まとめです。
- 習字はきれいな字を書く練習をすること。国語科。
- 書道は自分の思いや感情を字で表現すること。芸術科。
- 書写とは、文字を正しく書くことを学習すること。
- 習字や書道の段位は、各認定団体の規定によって決められており、習字と書道で明確な段位の違いはない。
- 学校教育の歴史において【習字】⇒【書道】⇒【書写】の順に変遷してきた。
- 習字教室ではペン字も習える。
- 書道教室では楷書、行書、草書が習える。
- 習字(書道)道具は3,000円~5,000円。
最近はパソコンやスマホなどの普及で、字を書くことが少なくなりましたが、時には字を書かなくてはいけない場面もありますよね。
そうした時に恥をかかないためにも、習字教室や書道教室で、子供の時から練習しておくことは、非常に大切だと思います。
子供さんを習わせる場合に、どちらにするかついてですが、これは「習字教室」や「書道教室」といったネーミングではなく、その教室で教えてもらえる内容や、どんな人たちが通っているかを確認してからにされると良いでしょう。
今回の内容をもとに、子供さんと話し合って決めてみてはいかがでしょうか?
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。