こんにちは、Isajiです。ご訪問、ありがとうございます。
高校野球って、自分が何歳になっても、出身地の代表校の試合に熱い視線を送ってしまいますよね!
野球少年だった私は、やはり応援してしまいますね。観ていて、同点延長ってなると、「どっちも勝たせてあげたい」って思うんですよ。しかし、実際は勝ち負けを決めなくてはなりません。
そこで、甲子園大会に本格導入されたのが、タイブレークという制度。名前は聞いたことあっても、しっかりとは知らない方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、タイブレーク制についてじっくりと調べてみました。
さらに、合わせて、導入の理由や先攻と後攻でどっちが有利なのか、タイブレーに対する世間の反応などについても紹介していますので、最後まで是非ご覧ください。
では、先ずはタイブレーク制とはどんなものなのかについて、一緒に見ていきましょう。
この記事でわかること
高校野球のタイブレーク制とは?
それでは先ず『高校野球のタイブレーク制ってどんなものなのか?』についてです。
高校野球のタイブレーク制とは、試合が同点のまま12回まで進んだ時に、次の13回の表から1、2塁にランナーを置いて、攻撃を始めることです。
【※tie(タイ=同点) をbreak (ブレイク=破る)から来た言葉】
初めて聞くと、なんだかすごく不自然な形と思われるかもしれませんね。しかしこれは多くの専門家の間で長年に渡り検討され、やっと導入されたものです。もちろん細かいルールもあり、導入された理由や経緯もあります。
それぞれお伝えしますが、まずは高校野球のタイブレーク制のルールから詳しくご説明していきましょう。
高校野球のタイブレーク制のルールは?
ここからは、高校野球のタイブレーク制のルールを一つ一つ見ていきましょう。
ランナーを1、2塁に置くということ
ランナーを人為的に1塁と2塁に置いて試合を始めるってことが、この制度のもっとも基本的なルールになります。
つまり、ノーアウトランナー1、2塁で最初のバッターが打席に入って、試合が始まるんですよ。これって、攻撃パターンがいろいろ考えられるので、守備側もいろんな場面を考えて守らないといけないから、いきなり緊張するんですよね。
送りバントで1アウト2、3塁にするのか、いきなり得点を狙って打ちにいくのか、主にこの2つの攻撃が考えられますが、通常は手堅く送りバントをすることが多いと思います。
バントって、当てるだけですが意外と難しくて、ましてやノーアウト1、2塁となると、下手すると一気にスリーアウトチェンジも有り得るので、私なら、最初のバッターはイヤですね^^;
一方打つ場合。これは内野ゴロだとダブルプレーで、一気にツーアウトになる可能性があって、これも緊張します。
打ってつかんだチャンスなら、気持ちが乗っていてイケイケムードになるので攻撃しやすいんですが、人為的にチャンスをもらっても気持ちがのらないんですよね。
13回から何回までやる?
次に、13回から適用して何回までやるのかについて触れておきます。
- 決着がつくまで試合継続。
これがルールです。
ノーアウト1、2塁から始まるわけですから、早々に決着がつくと思いますが、プロ野球のように引き分けで終わりにもできないし、決着がつくまで、ってルールは当然ですよね。
すべての試合に適用するの?
甲子園大会の、全ての試合で適用されるのでしょうか?ルールは・・・
- 決勝戦だけは適用されない。
ってことになっています。
決勝戦に関しては、延長15回まで通常通りおこない、それでも決着しない場合は再試合になりますが、再試合ではタイブレーク制を適用します。
せめて決勝戦だけは最後までガチバトルをみたいですね。やってる選手も絶対にそう思うはずです。
打順はどうなるの?
人為的に、1、2塁にランナーを置くって、その2人は誰が?って疑問に思いますよね。ルールでは・・・
- 12回までの打順を引き継ぐ「継続打順」でスタート。
となっています。例をあげて説明しましょう。
12回の攻撃を、3番バッターで終えた場合。
13回の攻撃は、2塁に2番バッター、1塁に3番バッターを置いて4番バッターから攻撃を開始するってことですね。
図で確認しておきましょう。
ノーアウト満塁から始めればもっと点が入りやすい気もしますが、意外とノーアウト満塁って、無得点に終わることが多いんですよね。ノーアウト満塁後の最初のバッターが倒れると、後のバッターにプレッシャーがかかって嫌でした。^^;
以上がルール説明となります。これでタイブレーク制がどんなルールなのかは、理解できたと思います。
ところで、この制度はどうして始まったのでしょう?今度は、導入の理由を確認しておきたいと思います。
タイブレーク制導入の理由は?
タイブレーク制導入の理由とは・・・
- ピッチャーの故障防止のため
なんですよ。こうした理由で、2018年のセンバツから導入され、春と夏の甲子園大会で適用されることになりました。
高校野球では、プロ野球や社会人野球と違って、ピッチャーが1人で1試合を投げ切ることが普通です。
しかも、勝ち進んで行くと連投ってことにもなります。その結果、ピッチャーの肘や肩に大変な負担がかかり、ケガをする恐れもありますよね。
それを避けるには、試合を早く終わらせれば良いってことになります。
つまり・・・
↓
試合の決着が早くなる
↓
ピッチャーの投球数を減らせる
って考え方から生まれた制度なんですね。
アメリカのMLBでは、「ピッチャーの肩は消耗品」って考え方があって、高校野球も含めて生涯で何球投げてきたかが、ピッチャーの耐用年数を考える上での重要な指標になっていますからね。
日本では、そこまで深刻には考えていないような感じですよね。
しかし、1998年夏の甲子園大会の、PL学園対横浜高校の試合で、松坂大輔投手が250球を投げ抜いたことが、大きなきっかけとなり議論が本格化しました。
この試合、私も観ていましたが、試合の行方よりも松坂投手の肩が心配でしたね。
松阪投手は、その後、プロ野球やメジャーリーグでも活躍していますが、甲子園で活躍した投手は、プロでは成功しないとまで言われていますもんね。
それは、やはり肩がかなり消耗してからプロ入りするため、故障しやすくなっているのが原因だと思いますよ。
以上で見てきたように、ピッチャーの肩への負担については早くから警笛を鳴らす専門家も多かったのですが、なぜこれまで見送られてきたのでしょう?
そのあたりのことを次に見ておきましょう。
タイブレーク制導入はなぜ見送られてきたの?
ピッチャーにとっては良いことだと思われるタイブレーク制が、なぜこれまで導入されてこなかったのでしょう?それは主に次のようなことが理由としてあげられると思います。
- 選手の思い
- 投手の心理的負担
- 「ギリギリまで勝負するのが高校野球」という世間の風潮
野球経験者として言わせてもらうと、やはり最後まで正々堂々と闘いたいんですよね。たとえ故障したとしても悔いは残らないし、負けても清々しさを感じます。
球児は甲子園を目指して人生をかけて野球に打ち込んできたわけですから、打ってもいないのに無理矢理チャンスをもらっても嬉しくないんですよね。
世間の高校野球ファンも、無理矢理終わらせるような試合は見たくない、ギリギリまで勝負するのを見たいって思うのではないでしょうか?
高野連も選手や世間のこうした気持ちを考えると、なかなか導入に踏み切れなかったのではないかと思います。
ところでこのタイブレーク制、先行と後攻ではどちらが有利なのでしょう?次にそこのところを考えてみましょう。
タイブレーク制は先攻・後攻どっちが有利?
手元の資料によると・・・
- 社会人野球の公式戦のデータ・・・先攻が有利。
- 高校野球の春・秋都道府県大会のデータ・・・どちらが有利とはいえない。
という結果が出ています。それぞれを、もう少し詳しく確認してみましょう。
社会人野球(都市対抗野球)公式戦のタイブレーク制適用試合のデータ
社会人野球では、2003年からタイブレーク制が導入されていて、過去35試合でタイブレーク制が適用されました。
その結果、先攻が21勝で後攻が14勝という記録が残っています。6割の確率で先攻有利ってことになりますよね。
一方、データ2の方はどうなのでしょう。
高校野球の都道府県大会のタイブレーク制適用試合のデータ
高校野球では、高野連の呼びかけで2015年から、春と秋の都道府県大会で試験的にタイブレーク制が導入されています。
こちらの結果は、92試合がタイブレーク制適用試合になり、先攻が44勝高校が48勝で、先攻・後攻による差はほぼ認められませんでした。
資料1と2の結果から、個人的な考えを言わせてもらうと、タイブレーク制適用試合の実数が大きい方が、データとしての精度は高いと言えると思いますので、先攻と後攻とで有利不利の差はないと考えて良いと思いますね。
みなさんはどう考えますか?
では、ここで、タイブレーク制導入に対する、一般の反応を紹介しておきたいと思います。
タイブレーク制は賛成?反対?アノ人の意見は?
一般の反応は?
あるアンケート資料を紹介します。
反対→70.3%
賛成→29.7%
という結果が出ています。反対の方が圧倒的に多いですね。
反対の理由で主なものは、
- 中途半端な決着が増える。
- まだまだ日程調整が可能なはず。
- 投手の球数制限導入を先にやるべき。
となっています。
確かに、野球をやっていた側の意見としては、人為的にランナーを置いて試合をするってのは、勝ったとしても実力で出したランナーを返したわけではないから、心底嬉しくないですね。
日程調整や球数制限など、他にも打つ手はないのかって気にはなりますよね。高野連もそこのところは十分検討しての、タイブレーク制導入なのだと思います。
次に、甲子園やプロ野球、MLBなどで活躍した桑田さんの意見を紹介しておきますね。
桑田さんの考えは?
巨人やメジャーリーグなどで活躍した桑田さんは、さまざまなメディアの取材に対し、「タイブレーク制導入よりも、球数制限や連投制限を優先すべき」とおっしゃっています。実際に、甲子園で20勝した投手の言葉には説得力を感じます。
私も桑田さんの意見に賛成です。球数制限なら正々堂々と勝負することには変わりありませんから、選手としても「やりきった感」があります。
兎に角、改革って実際にやりながら、検討し、また変えてを繰り返すことが大切だと思います。
タイブレーク制導入による効果を検証しながら、選手ファーストで、改革を続けていってもらいたいですね。
では、最後に、今回の内容をおさらいしておきましょう。
まとめ
どうでしたか?タイブレーク制の仕組や導入の経緯、世間の反応などについて、理解できたかと思います。
ここまで書いてきてウン十年前を思い出しました。当時はタイブレークなんて言葉はなかったです。試合は決着が付くまで、お互いが死力を尽くすのが当たり前でした。選手の体のことを思ってのこととは言え、野球経験者としてはやはり納得いく制度ではないってのが本音ですね。
- タイブレーク制とは、ランナーを人為的に1、2塁に置いてからスタートする方法。
- 延長13回から適用され、決着がつくまで行なう。決勝戦では適用しない(再試合では適用)。
- タイブレーク制は、ピッチャーの故障防止のために導入された。
- 先攻と後攻とで有利・不利の差はほぼない。
- 世間の70%は反対意見。
タイブレーク試合にならないよう、実力での決着がみたいですね。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。