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相撲と言えば力士が主役ですが、裏方の職業で「呼び出し」っていうのがあります。
相撲や歴史が好きな私は、力士以外にもこの呼び出しが気になっていました。
そこで今回は呼び出しについて徹底的に調べてみました。
呼び出しの給料や、仕事の内容、なり方や装束についてとことん調べましたので最後までじっくりとご覧くださいネ。
では、最初に呼び出しの給料からご紹介しましょう。
この記事でわかること
呼び出しの給料は高い?安い?
最初は呼び出しの給料について見てみましょう。財団法人 日本相撲協会寄附行為施行細則 第79条の規定を一覧表にしてみました。
階級 | 給与 |
---|---|
立呼出 | 36万円より40万円未満 |
副立呼出 |
|
三役呼出 |
|
幕内呼出 | 20万円より36万円未満 |
十枚目呼出 | 10万円より20万円未満 |
幕下呼出 | 4万2千円より10万円未満 |
三段目呼出 | 2万9千円より7万円未満 |
序二段呼出 | 2万円より2万9千円未満 |
序ノ口呼出 | 1万4千円より2万円未満 |
これを見ると幕下以下では「給料が1桁!?」って感じになっちゃいますが、実際にはこの給与に「手当」と呼ばれる金額が追加されます。
日本相撲協会の理事長が、各呼び出しの能力や成績、勤務状況、物価、社会状勢などを考慮し決定している。初任給手当は12万6千円。
つまり、各階級とも表の給料金額に、最低でも12万6千円が加算されていると考えられます。ですから新人呼び出しの総給料金額は14万円になりますね。
後の章で詳しく触れますが、呼び出しには最年少だと15歳(中卒)でなれます。
手元の資料によると、ある年の中卒男子の平均初任給が14万5千円となっていましたので、呼び出しの初任給と比較しても、およそ世間並と言えますね。
身分は、日本相撲協会の職員ですから安定しているでしょうし、世間並の給料はもらえそうですよ。
最高位の「立て呼び出し」ともなると50万円前後はありそうですよね。意外と良いんじゃないでしょうか!
この金額は、個人的には永久に到達しえない額ですので、すっごくうらやましいです~^^;
しかし、問題は仕事内容ですよね。給料が良い場合は普通は仕事も大変ですもんね。ってことで次に、呼び出しの仕事内容を確認しておきましょう。
呼び出しの仕事のメインはこの3つ!
ここからは呼び出しの仕事について見ていきましょう。
呼び上げ
これは呼び出しの仕事の中で、一番注目を集める仕事ですよね。土俵上で扇子を広げて、独特のふし回しで力士を呼び上げます。先ずは動画を観てみましょう。
いやぁ、音程が高い!他の動画も観てみましたが皆さん音程が高くて、ふし回しも個人差がありますね。ふし回しが独特な呼び出しは人気があるんですよね。
次は大変重要な仕事です。
土俵作り・メンテナンス
土俵を作ったり、場所中に整備するのも呼び出しの仕事なんですね。
土俵作り
本場所はもちろん、巡業の土俵や各相撲部屋の土俵作りも呼び出しの仕事になります。
土俵は神聖な場所ですので、けがれを持ち込まないために、機械を使わずに特別な道具を使って、全て手作業で行います。
おもしろいのは、俵を作ったりそれを土俵に埋め込んだりするのにビール瓶を使うことです。瓶の固さや形(持ちやすさ)がちょうど良いんですって。
土俵のメンテナンス
作った土俵を場所中にメンテナンスするのも呼び出しの仕事です。
取り組みの間にほうきで土俵をはいたり、乾燥を防ぐために水をまいたり、1日の取り組みが終わった後、仕切り線を描き直したりするのもすべて呼び出しの仕事です。
場所では力士たちが土俵の上で動き回ったり、倒れこんだりするわけですから、土俵が壊れないようにメンテナンスすることには特に神経を使うんでしょうね。
しかし、土で出来ているのによくもまぁ、崩れないものですよね!すごい技術だと思います。
太鼓たたき
太鼓たたきは意外でしたね。これは別の職人さんがいると思ってました。こちらは動画で実際の音を確認してみましょう。
ちょっと長めですが、巧妙な説明と心地よい音色についつい最後まで聴いてしまいました。♪
冒頭の「寄せ太鼓」ってのは特に面白いですね!
親方衆を集めるのに、昔は太鼓を鳴らしていたんですね!今じゃ街の環境音がうるさくてとても聞こえないでしょうね。電話があって良かったですよ。
テレビ中継では太鼓はなかなか聞けないので、実際に興行を観に行った時にはぜひ注目してみてください。
以上3つの重要な仕事以外にも、呼び出しは陰で様々な仕事をこなしています。次に、その他の仕事についてまとめてみました。
その他
呼び出しは、目立たないところで次のようなこともこなしているんですよ!
- カ水、力紙、塩などの管理。
- カ士に、制限時間になったことを知らせる。
- 懸賞の垂れ幕を持って土俵を周る。
- ひょうしぎを打つ。
- 懸賞金を行司に手渡す。
- 土俵下の控で、力士の座布団を交換する。
- 土俵下の審判委員の世話。
- 土俵上で負傷した力士の手当。
- 所属する相撲部屋の雑用。
このうち、「懸賞の垂れ幕を持って土俵を周る」のと「ひょうしぎを打つ」のはテレビでも確認できますが、あとはあまり知られていないんじゃないでしょうか?
特に、ケガをした力士の手当って、医者や看護師さんの仕事じゃないですかねぇ。簡単な医療の勉強もしないといけないんですね。大変だなぁ、って思いました。
呼び出しの給料やその仕事内容が分かったところで、次は実際になるにはどうしたら良いのか、なるための資格はあるのかなど気になったので、その辺りのことを調べてみました。
呼び出しになるには!
ここでは、
- 呼び出しになるための資格
- 呼び出しになるにはどうすれば良いのか
について触れていきます。
呼び出しになるための資格
呼び出しになるための資格は、
- 義務教育を修了した満19歳までの男子
であることです。そして、適格と認められた者に限られます。と言っても、健康であればなれるようです。
つまり、最年少だと中学を卒業した15歳でなれるってことですね。
一方、最年長だと19歳までですから、高校を出てからなろうと思ったら、在学中に手続きをしないといけないってことですね。特に4月生まれだと卒業してすぐに19歳になってしまいますからね。
呼び出しになるにはどうすれば良いのか
手続きは次の順番で行います。
- 入門する相撲部屋を決めてその親方に相談する。
- 親方が認める。
- 親方が呼び出し会を通じて相撲協会に申し込む。
形としては日本相撲協会に就職することになりますね。
呼び出しには45名の定員がありますので、空きが無ければ空くまで待つことになります。
年齢制限と定員がありますから、なるための最初の関門はかなり狭い感じがしますね。
やはりコネがないと難しいかも知れません。
ところで、呼び出しになりたいって思うきっかけの一つは、あの独特の装束へのあこがれもあるんじゃないでしょうか?
そこで、次章では呼び出しの装束について簡単に触れておきましょう。
呼び出しの装束を知ろう!
呼び出しが身に付けている独特の装束(ズボンの部分)がありますがあれは、
- 裁付袴(たっつけばかま)
と言います。
膝から下の部分が普通の袴よりも細くなっていて、もともとは武士が旅をする時に用いていました。
そう言えば、時代劇を観ていると旅姿の武士や忍者の衣装として目にすることがありますね。
私は野球をやっていたので、野球のユニフォームを思い出しました。野球のユニフォームの場合も膝から下が細くなっていて動きやすいんですよ。
あと、もう一つ豆知識をご紹介します。
呼び出しが、力士の四股名を呼び上げる時に扇子を使うのは「神聖な土俵につばを飛ばさないため」。
いやぁ、細かいですねぇ。そんなところにまで気配りをするのかぁ~、って関心しました。てっきり、力士の四股名をど忘れした時のためのカンニングペーパーかと思っていました^^;
では、最後に全体をまとめておきますね。
まとめ
今回は相撲の呼び出しという仕事に注目してみました。給料は意外と良くて、安定してそうでしたね。
なるための学歴は義務教育を修了していればOKですので、そういう意味では誰でもなれますが、仕事は多岐に渡るので覚えるのが大変そうな印象を受けました。
- 新人呼び出しの初任給は最低14万円。
- 呼び出しの仕事のメインは「呼び上げ」「土俵作りとメンテナンス」「太鼓たたき」。
- 呼び出しになるには、先ずは入門する相撲部屋を決める。
- 呼び出し独特の衣装を「裁付袴(たっつけばかま)」と言う。
給料は力士と同じく階級制になっていて、年齢と共に昇給していく一般サラリーマンとは違いますから、厳しいですよね。
今後はこうした呼び出しにも注目して、相撲を観ていきたいと思います。
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今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。