こんにちはIsajiです。ご訪問、ありがとうございます。
力と力がぶつかり合う相撲って迫力ありますよね。私はそんな相撲が大好きなんですよ。
相撲には取り組みを裁く行司がいますが、この行司の持ち物として「軍配」があります。
アレって何か文字が書いてあるのをご存知でしょうか?テレビだとなかなか読み取ることは出来ませんが、四字熟語が書かれてあるんですよね。
ってことで今回は、行司の軍配に書かれている文字をはじめ、その他の細かな雑学についてきっちりと解説していきます。
さらに合わせて、軍配の値段についても調べてみましたので、是非最後までじっくりとご覧ください。
では先ずは、今回のメインテーマである軍配の文字について一緒に見ていきましょう。
この記事でわかること
行司の軍配の文字の秘密を知ろう!
この章では、行司の軍配に書かれてる文字についての情報をお届けします。
軍配の文字って決められているの?
先ずは、書かれている文字は決まっているのかってとこから調べてみました。
調べた結果、特に規定があるわけではないようです。行司が自分の好きな文字を入れたり、先輩や同輩から譲り受けたものをそのまま使ったりするそうです。
好きな文字と言ってもテレビに映りますしねぇ、インスタ映えならぬテレビ映えのする文字をいろいろと考えるのでしょうか。
ってことで、次に具体的には何と書かれているのかについてご紹介していきます。
軍配の文字って具体的にはなんて書かれてるの?
規定がないのでやはりいろんな文字が書かれているようです。代表的なものとその意味をご紹介していきましょう。
文字 | 意味 |
---|---|
明鏡止水 | なんのわだかまりもなく、澄みきって静かな心の状態。 |
公平無私 | 公平で私心を交えないこと。 |
九思一言(くしいちごん) | 「明・聡・温・恭・忠・敬・問・難・義」の九つのことを心掛けた一言のこと。 |
天下泰平 | 全国が平和で安全であること。 |
初心不忘 | 物事を始めた時の謙虚な気持ちを忘れてはいけない。 |
果断躬行(かだんきゅうこう ) | 思いっきりよく、自ら実行すること。 |
精神一到 | 精神を集中して物事に臨めば、どんなことでも成し遂げられること。 |
私がこの中で見たり聞いたりしたことがあるのは「明鏡止水」と「天下泰平」だけですね。
いずれも四字熟語で、自分を律する気持ちや世の中のことを思う気持ちが込められているんですね。
行司さんの世界も縦社会で、非常に厳しい所のようですから、気が緩まないようにするための言葉を軍配に書いて、いつでも見られるようにしているのではないでしょうか。
ここで、行司の最高位である「立行司」の木村庄之助の軍配に書かれている文字を確認しておきましょう。両面にそれぞれ次のように書かれています。
- 知進知退 随時出処・・・進むべき時と退くべき時を知り、いつでもそれに従う
- 冬則龍潜 夏則鳳挙・・・龍は、厳しい冬は海に潜ってじっとしていて、夏になると鳳凰になり飛び立つ
【冬則龍潜 夏則鳳挙】は「修行・下積み時代は焦らずに、しっかりと知識を蓄え技術を磨き、表舞台で活躍する時に備えるぞ!」っていう意味かなぁと勝手に解釈しました。
どちらの言葉も行司の厳しい世界や覚悟のほどを感じますね。
軍配に書かれた文字に関する情報は以上です。
次に、軍配に関するその他の雑学を6つ、ご紹介していきますね。
その他の軍配の雑学を知ろう
軍配団扇とは?
「軍配団扇(ぐんばいうちわ)」という言葉をご存知でしょうか?実はこれが相撲の行司が使う軍配の正式な名称なんです。
「軍配」は戦国武将が戦(いくさ)で自分の軍を支配するって意味ですが、「団扇」はなぜこれで「うちわ」と読むのか?ココがどうも引っかかってしまい、納得いくまでトコトン知りたい私は、これについても調べました。
その結果をザックリとご紹介します。先ずは漢字の意味について。
- 「団」=まるいもののこと。
- 「扇」=風を送ること。
つまり、風を送る丸い形のものってことですね!あっ!余談になりますが、そう言えば「だんご」って漢字で「団子」って書きますね。アレはまるいことを意味していたんですね。
続いて読み方の謎を解明。
光をさえぎるために頭上にかざすもののこと。
光をさえぎるための翳を使って害(ハエや蚊など)を打ち払ったことから、「打つ翳(うつは)」→「うちわ」となったわけですね!
ここから派生して、病魔や邪気を打ち払う魔除けの意味もあります。
なるほど!これでスッキリしましたね^^v
つまり、魔除けの意味のあるうちわを、自軍の進退を支配するための道具として戦国武将が使っていたので「軍配団扇」と呼ぶんですね。
ちなみに戦国時代には、戦場で兵士の戦意を高めるために相撲を取ることがあり、その時に行司役の武将が軍配を使っていたことが、現在の行司が軍配を使う由来となっています。
続いては軍配の形に関する情報です。
軍配の形は決まっているの?
以前は卵型とひょうたん型の2種類ありましたが、現在は卵型に統一されています。
ジャンジャンいきましょう。次は房の色に関する豆知識です。
軍配の房の色は決まっているの?
行司の軍配の柄の先には房(ひものようなもの)がぶら下がっていますよね。アレが実は行司の階級によって細かく決められているんですよ。
具体的な色の規定について、一覧表にまとめましたのでぜひご覧ください。
階級 | 房の色 |
---|---|
立行司(木村庄之助) | 総紫 |
立行司(式守伊之助) | 紫白 |
三役格 | 朱 |
幕内格 | 赤白 |
十両格 | 青白 |
幕下以下 | 青か黒 |
紫というのは高貴な色とされていて、誰でも付けられるものではありません。行司の横綱と言われる立行司の紫を目指して、行司の皆さんは日々頑張っているんですね。
こうしたちょっとしたことを知っていると、相撲を観るのが一段と楽しくなりますね。
次はちょっと細かいことですが、軍配の持ち方についてです。
軍配の持ち方は?
野球のバットやゴルフのクラブのように軍配にも決まった持ち方があります。それを知っておきましょう。
持ち方には「陰の持ち方」と「陽の持ち方」の2種類があります。
- 陰の持ち方(木村家)・・・こぶしが上で指が下
- 陽の持ち方(式守家)・・・こぶしが下で指が上
先ほどの房の色同様、握り方を見るだけでも行司が木村家なのか式守家なのかが分かりますね。誰かに話したくなってしまします。♪
続いてご紹介するのは、行司の覚悟についての話です。
「軍配差し違え」って?
行司が間違えて負けた力士に軍配を上げることを「軍配差し違え」と言います。
ところで行司最高位の立行司は短刀を腰に差しています。これは、差し違えたら切腹する覚悟を表しているんですよ。
ある刀匠のブログによると、中身も本物の短刀が入っているそうです。
江戸時代の記録には、実際に切腹した行司はいないようですが、行司も命懸けで裁いているってことですね。
最後の雑学は軍配を使った慣用句についてです。
「軍配が上がる」の意味は?
本来の意味は「行司が勝った方の力士に軍配をあげる」ことですが、そこから転じて、「勝負ごとなどで勝者が決まる」という意味に使われています。
例えば、「今度の選挙は新人候補に軍配が上がった」って感じですね。
ところで行司の軍配っていったいいくらくらいするのでしょう?せいぜい10万円くらいかなぁと思って調べてみたら、とんでもない金額にびっくりしました。
ってことで、次は軍配の値段についてです。
軍配の値段はいくら?
手元の資料では序ノ口で6.5万円、幕内では50万円~100万円もするそうです。中には500万円以上もする軍配もあります。
軍配には漆塗りが使われていて、人間国宝による輪島塗ってことなので、ここが値が張るもっとも大きな理由でしょうね!
それだけの価値のあるものを持って裁いていると思うと、これからは力士だけではなくて行司にも注目してみたくなってきました。
では最後になりますが、これまでの内容を簡単におさらいしておきましょう。
まとめ
軍配一つ見ても行司の職責への思いや歴史的背景、階級や覚悟など、さまざまなことが分かりましたね。行司ってホント大変なお仕事だと思いました。
- 軍配の文字に規定はない。
- 木村庄之助の軍配には「知進知退 随時出処」「冬則龍潜 夏則鳳挙」と書かれている。
- 軍配の房の色は行司の階級によって決められている。
- 木村家と式守家で軍配の持ち方が違う。
- 軍配は高いものだと500万円以上もするものもある。
いつか必ず相撲を生で観たいと思っていますが、その時は今回のことを思いながら、力士だけではなく行司にも注目してみたいと思います。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。