こんにちは、Isajiです。
「お蔵入り」って言葉がありますが、この「蔵」って、文字通りの意味なのでしょうか?
ある本を読んでいたら、その語源が書かれていまして、有力な説によると、意外にも全く違う意味だったんです!
そこで、今回はお蔵入りの意味や例文、語源についてより詳しく調べてみました。
また、合わせて、日頃、意味を勘違いして使われている言葉についてもいくつかご紹介していますので、ぜひご覧ください。
では、順番に見ていきましょう。
この記事でわかること
お蔵入りの意味を例文で知ろう!
先ずは、お蔵入りの意味から見ていきますね。
お蔵入りの意味は?
お蔵入りとは・・・、
物事が、計画の段階で、なんらかの理由により中止になってしまうこと。
ですよね。
結果的に、日の目をみないで終わってしまうことを言います。映画やドラマなどで、出演者の不祥事が原因で、上映や放送が取りやめになる時に、使われることが多い気がします。
意味が確認できたところで、今度は具体的な使い方の例文を見ておきます。
お蔵入りの使い方を例文で知ろう!
具体的な使い方を見てみましょう。
あのアイドルの映画は、製作途中で、不祥事のために、上演がお蔵入りとなってしまった
例文としては、普通になってしまいました・・・^^; ポイントはやはり「映画」ってとこでしょうか。
歌舞伎の公演が語源というだけあって、映画やドラマなどに関して使われることが、多い気がします。
あとは、会社などで・・・、
新規プロジェクトは、予算の目途がたたず、お蔵りになった。
なんて使い方もしますよね。
ところで、意味はほとんどの人が、イメージしていた通りだったと思いますが、語源になると、意外と間違って解釈していないでしょうか?
実は私も、間違えて理解していました。
ということで、次に、お蔵入りの語源について解説します。
お蔵入りの語源は「蔵」じゃなかった!?
お蔵入りの「蔵」は・・・、
「楽(らく)」の逆さ言葉
だったんですよ!って、それだけじゃ意味不明ですよね。詳しく解説しましょう。
歌舞伎の最終公演日のことを、「千秋楽」と言っていました。これは今でも使われていますよね。特に相撲で耳にすると思います。
当時、江戸では言葉をひっくり返して言う、「倒語(とうご)」が流行っていたそうです。この風習って、今の芸能界でも残ってますよね、「まいう~」とか^^
で、話を江戸時代に戻しますが、芝居の上演が中止になることを、千秋楽の「楽」を逆さにして「くら」と言ったんだそうです。
これに、漢字の「蔵」が当てられて、さらに丁寧語の「お」まで付いて「お蔵」と言うようになりました。
これが、最も有力な説とされていますが、中止になった公演の台本を蔵にしまいこんだことから、文字通り「蔵」が語源とする説もあります。
お蔵入りの意味や例文、語源に関する話は、ここまでになります。
ところで、今回の記事を書きながら思ったことがあります。
お蔵入りの「蔵」はもともとは蔵のことではなかったのですが、同じように、もともとの意味を知らずに、間違えて使ってしまっている言葉って、結構ありませんか?
ということで、次に、意外と使い方を勘違いされている言葉をいくつか集めてみました。
使い方を勘違いされている言葉たち!
日頃、何気なく使っている言葉の中にも、意味を勘違いして使っているものが結構あります。
その中からいくつかひろってみました!それぞれ、どこかが間違っているのですが、分かりますか?
- 的を得る
- 熱にうなされる
- 合いの手を打つ
- 愛想をふりまく
- 体調を壊す
- 取りつく暇もない
では、それぞれ簡単に見ていきます。
【1】的を得る
的とは、矢を放つ時の標的のことですよね。標的は得るものではなくて、射るものですので、正しくは「的を射る」となります。
「まとをいる」は、舌を噛みそうになります。一方、「まとをえる」の方が言いやすくて、そのまま勘違いされてきたようです。
【2】熱にうなされる
「病気で、高熱が出たために、うわごとを言う」って意味で使っている人も結構いるようですが、正しくは「熱に浮かされる」ですよ。
うなされるのは夢ですね。
【3】合いの手を打つ
合いの手は入れる、ですね。打つのはあいづちですので、間違えないようにしましょう。
【4】愛想をふりまく
愛想は、人に好印象を持ってもらうための態度ですから、当然ふりまくことはできないです。
正しくは、愛嬌をふりまく、になります。愛嬌は、表情のことですからふりまけますね。
【5】体調を壊す
これは、正解からいいますね。「体調を崩す」が正しい使い方なんですよ。
以下のように、言葉の意味を理解すると、分かりやすいでしょう。
体調は「体の調子」ですね。つまり、元々は整っていたもの。それを乱すわけですから、「体調を崩す」が正しい言い方ってことになります
「壊す」を使う場合は、「体を壊す」ですね。
【6】取りつく暇もない
忙しくて、暇がない、ってことではありません。正しくは「取りつく島もない」です。
「島」は助けや、頼るものの比喩なのだそうです。海でおぼれて、島に辿り着きたいと思って、必死でもがいても、取りつく島が見当たらない、って感じですね。
全く相手にせず、話をしようともしないこと、を表します。
以上、今回は、「お蔵入り」の意味や語源、合わせて、その他の、勘違いされて使われている言葉たちについて書いてきました。
では、最後におさらいしてみますね。
まとめ
蔵の字を使うのに、語源は蔵じゃなかった、なんてとっても意外でしたね。
- 「お蔵入り」とは、ものごとが途中で中止になること。
- 「お蔵入り」の「蔵」は「楽」の倒語が語源。
- 「映画が、不祥事のために、上演がお蔵入りになる」などと使われる。
- 「的を得る」ではなく「的を射る」。
日本語の語源や変化って本当におもしろいですよね。特に、それまでの言葉が、若者の間で新しい意味に変化して、広まっている言葉も多いですね。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。
- 「知識の博覧会」曽根翔太著 株式会社彩図社
- weblio辞書