こんにちは、Isajiです。
野球が大好きで、私自身もかつては野球少年でしたが野球部って坊主が普通なんですよね。
ところでいきなりですが、次の動画を冒頭の部分だけで良いのでご覧ください。
川内さんが、「皆さんの期待に応えられなかったので坊主にしてきました」っていう動画なのですが、坊主って一般的には反省の象徴のようなものですよね。
それがなぜ高校野球では規則みたいになっているのか、そこがふと気になってトコトン調べてみました。
ってことで、今回は高校野球部員の坊主について、強制されている理由や全国の野球部員の坊主実態調査についてご紹介していきます。
さらに合わせて、野球部員への坊主強制の違法性や、坊主を強制していないとある高校についても触れていますので、最後までじっくりとご覧ください。
では早速、高校野球部員への坊主強制の理由からご覧ください。
この記事でわかること
高校野球部員への坊主強制の理由や実態を知ろう!
高校野球部員と言えば「坊主」。これが当たり前みたいになっていると思うのですが、なぜ高校野球では坊主が定番化しているのでしょう?
先ずはそこから紐解いていきたいと思います。
高校野球部員が坊主の理由は?
調べた結果、高校野球部員が坊主の理由は主に次のことがあげられます。
- 伝統
- 野球に専念するため
- 野球部員であることの自覚
では、順番に確認していきましょう。
伝統
これに関しては、私も野球少年だった頃を思い出しても「野球部と言えば坊主が伝統」って勝手に思ってましたね。
それこそ甲子園大会をみても坊主ですし、まわりで野球をやっている仲間も皆坊主。それがかっこいいって思っていましたしね。
ですが、「伝統」って具体的にはどんな事実があるのかは今回調べてみてはっきりとわかりました。
それは、
- 明治維新以降の軍国化
がきっかけだったようです。
明治政府が軍国化を進めて行く過程で、兵士を管理統率するために、「男子は坊主」という風潮が広まっていったそうです。
ちなみに坊主はインドの修行僧からはじまったようです。ここで坊主の意味を理解しておきましょう。
つまり、坊主は兵士が俗世間から決別し、国のために働く意志を示すものとして軍隊で採用された慣習なわけです。
その後、高校野球に坊主の伝統が残って行った理由を紐解くために、少しだけ野球の歴史について見ておきたいと思います。
明治14年に日本ではじめて野球の試合が開催されて以降、日米野球や大学野球が盛んになり、やがて高校にも広まっていくこととなります。
それまで日本で娯楽といえば相撲くらいしかありませんでしたので、野球人気は急速に高まっていきました。
この人気に対し、野球に批判的な著名人の意見が多く出されます。「学生の大切な時間を浪費し、疲れて勉強を怠る。そして、慰労会と称して料理屋で飲食し堕落していくスポーツ」とまで言われていたようです。
しかし、ここで読売新聞が野球を養護する論調で対抗し、野球に対するネガティブキャンペーンは終息していきました。
このネガティブキャンペーンを終息させる手段の一つとして、軍隊式の坊主を取り入れることで「世間から決別し、野球に専念する意志」を表していたと考えられます。
つまり、それだけの覚悟をもって取り組む健全なスポーツであるという論理ですね。
こうして、その伝統が高校野球にだけ今も残っているってことではないでしょうか。
では、次の理由もみてみましょう。
野球に専念するため
これは野球部時代によく言われました。実体験も踏まえて解説できます(^^)v
髪が坊主だとおしゃれに気を使わなくて良いんですよ!頭洗った後も楽ですし、髪型だってセットしなくて良い。
その分野球に集中できるんですね。
高校生の頃はおしゃれに目覚める時期ですから、長髪だといろいろ気になりますよね。坊主はそんなことは関係ないので、好きな野球に集中できたのを覚えています。
余談ですが、坊主は夏の暑い時はメリットがあるんですね。休憩時間や練習後に蛇口をひねって頭に水をぶっかけて頭を冷やすんですが、その後はタオルで一拭きすればおしまい!
これが長髪だとそうはいきませんからねぇ。
次に紹介する理由は、個人的には気付いていなかったことです。
野球部員であることの自覚
これは、調べてみて「なるほど!」って思いました。
野球部といえば「坊主」→坊主にすることで野球部員になったことを自覚する
ってこともあるのですが、「野球部=坊主」のイメージが世間でも定着しているから、野球部や学校の看板を背負っているようなものなんですよね。
ですから、何か不祥事を起こせば大会にはチーム全体が出られなくなるという覚悟と自覚をするためでもあるんですよ。
以上が、野球部員が坊主である理由になります。
個人的には強制とか命令とかされた記憶はないのですが、坊主じゃないとチームの和を乱す、みたいな雰囲気はあったかなぁ。
さて次に、日本高校野球連盟(以下「高野連」)と朝日新聞社が行っているアンケート調査の結果から、全国の高校野球部員の髪型についての実態を確認しておきたいと思います。
アンケート結果から坊主の実態を知ろう!
高野連と朝日新聞社が行っているアンケートは、1993年から5年おきに行われています。
高野連加盟校約4,000校を対象に、頭髪に関する実態調査をしたところ、結果は次の通りでした。
調査年 | 坊主の学校の割合 |
---|---|
1993年 | 51% |
1998年 | 31% |
2003年 | 46% |
2008年 | 69% |
2013年 | 79% |
1993年にJリーグが開幕して長髪が流行ったことと、1993年から1998年にかけて坊主の学校が減少したことが関係しているとされています。
一方、甲子園でアイドル的な球児が出現することで再び坊主の学校が増える傾向にあるようです。
坊主が「クールファッション」として認識されはじめているのかも知れませんね。
でも、世間の流行りに左右されているってことは、部の規則で強制している学校は少ないってことなんでしょうか?そこは謎として残りますね。
ではここで、高野連の坊主に対する見解をご紹介しておきましょう。
日本高野連はハフポスト日本版の取材に、「頭髪は全くの自由です。長髪を禁止していないし、坊主や丸刈りを強制もしていない。仮にパーマであったとしても、注意することはない」と説明。
にも関わらず、甲子園に出場する9割以上の学校の選手が揃って「坊主頭」にしていることについては、「頭髪については学校側が判断することなので、高野連としてはコメントする立場にない」と話している。
上記を見ても分かるように、高野連も坊主を強制していないし、頭髪は自由だとしているんですね。
実際、2016年春のセンバツで選手宣誓をした、小豆島高の樋本尚也主将が宣誓の時に、帽子を取ったら長髪だったことが話題になりましたもんね。
「坊主じゃない!いいの?」って思いましたもん。
では次にちょっと別の視点で坊主について解説したいと思います。
高校野球部員への坊主強制は違法?
「他人の髪型を強制するのって法律上はどうなの?」って大変気になったので早速調べてみました。ネット上の弁護士さんの見解を総合すると答えは、
- 違法
ってことでした。
どんな法律に違反するのかなんですが、「憲法13条 自己決定権」ですね。
頭髪は体の一部であり、それを決めるのは憲法13条で保障されている「自己決定権」の一種なのだそうです。だから校則や部の規則で髪型を規制する場合には、
- 頭髪の規制と規制の目的との間にはっきりとした関連性がないといけない
とのことです。
つまり、坊主にすれば試合に勝てるってことが明白じゃないといけない、ってことですね。
そんなことは有り得ませんから、もし「髪型を強制するのは憲法違反だ!」って訴えられたとしたら、ほぼ確実に負けるそうですよ。
学校関係者や監督さんは知っておくべきだと思います。まぁ、裁判するとお金もかかるし、時間も費やしますから訴える人はいないとは思いますが。
坊主を強制されるのが嫌で野球部に入るのを断念した球児は多いみたいですから、球児側も法律的なことを知っておくと良いかも知れませんね。
では、次におまけ情報として2つの話題をお届けしましょう。
野球部が坊主じゃない高校や高校野球部時代に坊主じゃなかったプロ野球選手は?
先ずは坊主を廃止したことで有名な高校からご紹介します。
野球部が坊主じゃない高校
その高校は、
- 慶応義塾高校
です。
1991年から2015年まで監督を務めた上田誠氏の方針で、慶応義塾高校は坊主を強制していません。
坊主にしても野球は強くならないという監督の方針から強制していなかったのだそうですよ。
先ほどの「坊主の強制は憲法違反」を知っているかのような考えですよね。坊主と野球が強くなることにはまったく関係性はありませんからねぇ。
また、こんなプロ野球選手もいたんですよ。
高校野球部時代に坊主じゃなかったプロ野球選手
その選手の名は、
- 岸孝之投手
です。
宮城県立名取北高校出身ですが、岸選手がこの高校を選んだ理由がユニークなんですよ。
その理由は、「野球部が坊主じゃなくてもいい」からってことなんですね。よっぽど坊主がいやだったらしく、野球自体も甲子園に行こうとは全く思っていなかったそうです。
いろいろな縁が重なって、プロ野球選手として花開いたわけですが、そのきっかけが「坊主はいや」ってことで選んだ高校だったなんて、やはり坊主と野球の上達とは関係ないようですよ。^^
では、最後に今回の内容をふりかえってみましょう。
まとめ
いかがでしたか?高校野球といえば「坊主」の印象が強いのですが、野球経験者としては坊主は夏は簡単に頭を冷やせるってことが良かったですね^^v
最近は甲子園で活躍する球児のお陰で一種の流行りファッションのような扱いもされているってことには、時代の変化を感じました。
- 高校野球部員が坊主なのは「伝統・野球に専念するため・野球部員であることの自覚」などが主な理由。
- 坊主は高野連では規定していない。
- 高野連のアンケートによると、坊主の学校は2013年で79%。
- 高校野球部員への坊主の強制は違法性が高い。
野球経験者としては、坊主だから試合に勝てるとか野球が上達するとかは全く関係ないので、球児の自由で良いと思いますね。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。