最近、地名の由来を調べることにはまってまして^^;
先日、赤坂の由来を調べながら地図を眺めていると「六本木」の地名が目に入ったんですよ。
「そう言えば六本木って確か人の名前に由来するとかって・・・」
と昔聞いた事が有るかすかな記憶が蘇りまして、折角だからはっきりさせよう!ってことで今回は六本木について調べてみることにしました。
由来は主に2つの説が有ることが分かりました。また、全国各地にも「〇本木」と付く地名が多く存在している事も判明しました。
では先ず初めに六本木の地名の由来に関する2つの説について御紹介しますので是非御覧下さい。
この記事でわかること
六本木の地名の由来は?
先にも書きましたが、六本木と言われる由来には主に2つの説が有る様です。
六つの屋敷が有った?
六本木の地名の由来で個人的に最も納得出来るのはこれ・・・、
ことに由来するとする説です。
六つとは次に挙げる大名家です。
- 上杉家(出羽米沢藩)
- 朽木家(丹波福知山藩)
- 青木家(摂津麻田藩)
- 片桐家(大和小泉藩)
- 高木家(河内丹南藩)
- 一柳家(播州小野藩)
各藩の大名屋敷は江戸城周辺に有りました。上の六つの大名屋敷は今の六本木辺りに有りました。
ではここで、上記六つの大名家の名前を見てみましょう。いずれも木か木の種類が苗字に入っていますね。
そこで六つの木にまつわる御屋敷が有る場所という意味で六本木となったとされています。
続いてもう一つの説を見てみましょう。
六本の木が有った?
この説は読んだまんまですが・・・、
とする説です。
江戸時代、この地に「六方庵」という御屋敷があり、その庭に六本の松が有ったことが由来とされています。
ここまでで御紹介した2つの説ですが、やはり私的には「六つの御屋敷説」が史実っぽいと感じますね。
「六方庵の松」説は、ん~・・・、その御屋敷の松だけが注目された理由が謎ですし、なんだかこじ付けっぽく見えますよね。
しかし、江戸時代の文政年間に書かれたとされる古文書に上記二つの説が載っているそうです。が、特定はされていないんですね・・・。
ここまで、六本木の地名が生まれた歴史を二つ御紹介してきましたが、次に六本木という街そのものの歴史を紐解いて行きたいと思います。
六本木ってどんな街?江戸から明治、現在への歴史をみてみよう
六本木の街は・・・、
と変化していきました。この流れを見てもやはり六本木の由来は姓が「木」に関係する大名の屋敷が有った、というのが個人的にはしっくりしますね。
では最初に江戸時代の六本木から見てみましょう。
江戸時代の六本木
六本木が街になったのは、江戸時代からでした。
徳川2代将軍秀忠夫人(江のことか側室のことかは分かりませんでした)の葬儀に功績のあった僧侶たちが、この地に寺を建て、門前町を開いた事が始まりです。
従って江戸時代の六本木とは現在の六本木交差点付近の狭い範囲を指していました。
明治時代の六本木
明治以降の六本木は、寺院や大久保加賀守の下屋敷跡などを含む範囲を六本木と言う様になりました。
その後、広大な屋敷跡を利用して多くの軍事施設が置かれ兵隊の街となっていきました。
現在の六本木
現在は六本木ヒルズや東京ミッドタウン等に代表される繁華街となった六本木ですが、リサーチの結果、世間的なイメージはあまり良くないことに驚きました。
日本有数の繁華街であることや数々の事件も発生している事から六本木地区はアメリカ国務省、イギリス大使館、オーストラリア大使館によって旅行者向けの危険地域として指定されています。
いやぁ、行ったことは無いのですが海外から「危険地域」に指定されている場所が日本に存在していること自体知りませんでした・・・。
まだまだ有る!〇本木の地名たち
六本木の地名の由来の二つ目に有った様に「〇本木」と付く地名は他にも有るのかなあ、と思って国土地理院地図閲覧サービスを使って検索してみました。
結果は次の通りです。
- 一本木 東日本を中心に61件
- 二本木 東日本を中心に64件
- 三本木 東日本を中心に67件
- 四本木 埼玉県日高市に1件のみ。
- 五本木 福島県と東京都練馬区に合わせて4件
- 六本木 東日本を中心に14件
- 七本木 全国に5件
- 八本木 全国に5件
- 九本木 千葉県鴨川市に1件のみ。
- 千本木 栃木県に4件
木の本数が10本以下の地名は「六本木」と同じくやはりその本数の木が有った事が由来である可能性が高いのではないでしょうか.
まだまだ有る!江戸時代に由来する地名たち
- 御茶ノ水(千代田区神田)
徳川2代将軍秀忠が鷹狩りの途中立ち寄った寺の湧き水をたいそう気に入り、以後、この水を徳川家の御茶を点てるための水としたことに由来する。
詳しくはココを御覧下さいネ↓
御茶ノ水の由来を知ろう! 地名に隠された歴史とは? - 半蔵門(千代田区)
服部半蔵の屋敷やその部下の屋敷がこの門の近くに有った事が由来。その他異説も有る。
半蔵門の由来に関してはコチラを御覧下さい。↓
半蔵門の由来は象?地名に残された江戸の歴史とはっ! - 馬喰町(中央区日本橋)
関ケ原の戦いの前に家康がこの地で馬揃えを行って以来馬市が出来、馬の目利きのプロが多く住んだ事に由来する。
詳細はこちらを御覧下さい。↓
馬喰町の読み方は?東京の地名にまつわる江戸歴史ばなし
まとめ
いかがでしたか?
主に2つの説を御紹介しましたがどちらも決定的な根拠となる証拠は残されていない様です。
どちらを信じるかはあなた次第です^^
では今回の内容をおさらいしてみますね。
- 六本木は「木」に関係する姓を持つ大名屋敷が六件建っていたことが由来
- この地に有った六方庵という屋敷に有った六本の松が六本木の由来とする説も有る
- 江戸時代の六本木は屋敷町だったが明治期の兵隊の街を経て現在は繁華街へと変遷してきた
- 「〇本木」と呼ばれる地名は全国に数多く存在している
次はどの地名を調べてみようかなぁ。何かリクエストが有りましたら是非教えて下さいネ。
今回は以上となります。最後まで御覧頂き有難う御座いました。
★参考サイト・文献★
・地理院地図 http://watchizu.gsi.go.jp/
・TOKYO MIDTOWN http://www.tokyo-midtown.com/jp/
・新村出(編) 「広辞苑」(第七版) 岩波書店