こんにちは、元野球少年(うん十年前ですが・・・)のIsajiです。今はもっぱら観戦オンリーです♪
テレビで野球観戦をしていると、バッターが打席に立つことなく一塁に歩いている場面を見掛けませんか?いわゆる「申告敬遠」ってやつです。
これは、実際に4球投げなくてもいいってことなんですが、みなさんはどう思われますか?
ってことで今回は2017年のMLBでの実績を参考に、申告敬遠は日本のプロ野球でも必要かどうかについて考えていきたいと思います。
また、合わせて申告敬遠ってそもそもどういうものなのかについても簡単に解説していますので、最後までぜひご覧ください。
では、最初にMLBでの見直し論から一緒にみていきましょうね。
この記事でわかること
申告敬遠!MLBでは見直し論も!?
日本のプロ野球より一足早く、2017年から申告敬遠を導入しているMLB。しかし、シーズン終了後に早くも見直しの議論が起こっているんです。
そこで本章では以下について見ていきたいと思います。
- 申告敬遠導入の背景
- 2017年の運用実績
では順番に触れていきますね。
申告敬遠導入の背景
先ずは導入の理由から見ておきましょう。
- 試合時間の短縮
これが理由ですね。
では、試合時間が長くなる理由はどう分析しているのかというと、次のことをあげています。
- 投手交代にかかる時間
- チャレンジ制度によるリプレイにかかる時間
- 監督やコーチがマウンドに向かう時間
- 攻守交替にかかる時間
これらにかかる時間が長過ぎて、その結果試合時間が長くなっていると分析しているんです。
だったら、上記のうちの2つめ「チャレンジ制度」を廃止すれば良いと思いませんか?
これは試合をいったん止めて、ビデオを観て検証するということで、プレーの自然な流れの一部ではないですからね。
そのほかの3つは、試合の中の当たり前の流れですから短縮できないし、100歩譲っても、攻守交替を日本の高校野球のように全力で走っておこなうことにするくらいはできますが。
これらの理由で試合時間が長くなっていると分析しておきながら、時間短縮場所を敬遠で4球投げる時間に求めるという発想が、野球をやっていた私にとってはちょっと疑問なんですよね。
野球をやったことがない人からすると、「どうせ歩かせるんだから実際に4球投げるか投げないかはどうでも良いじゃん!」って思うかも知れませんが。
となるとホームランも「どうせ1点入るんだからベース1周しなくても良いじゃん!」っていつかなりそうですよね・・・。
ってことで、申告敬遠導入の背景は「いろいろな要因で試合時間が長くなっているから、時間短縮のために敬遠で4球投げる時間を減らした」ってことのようですよ。
その結果、試合時間はどうなったのかを2017年の実績から探ってみましょう。
2017年の運用実績
申告敬遠1年目の2017年の平均試合時間の短縮は、
- 約48秒
だったようです。
実際に4球投げるのに約2分を要すると仮定し、2430試合で970回の申告敬遠があったので、2.5試合に1回の割合で申告敬遠があったことになります。
つまり、2.5試合で約2分短縮したことになりますので、1試合当たり約48秒の短縮となるわけです。
これって、ほとんど試合時間短縮の効果はないってことではないでしょうか?
過去の敬遠四球の回数はデータが残っているわけですから、試算してみれば予め予想できることですよね。
そこでMLBでは試合時間の短縮へ向けて、敬遠四球以外の方法を検討しはじめています。
以上ここまでで、一足先に申告敬遠を導入したMLBの見直しについて見て来ましたが、これを踏まえて、日本のプロ野球で申告敬遠が必要かどうかについて、一緒に考えていましょう。
プロ野球に申告敬遠は必要?
ここでは、
- イチロー選手の意見
- プロ野球関係者の意見
- 私の私見
に分けてご紹介していきたいと思います。
先ずはイチロー選手の意見から、
イチロー選手の意見
過去の発言を見ると、イチロー選手の意見は反対のようです。
イチローは、新ルールの敬遠に対して、「面白くない。戻さないとダメでしょう。空気感があるでしょ、4球の間に」と否定的な意見を述べている。
ルール改正前の2016年5月、イチローはマイアミ・ヘラルド紙に対して「敬遠に投手が苦労するのも、試合の一部だと思う。これが通るならホームランでベースを一周しなくてもいいことになる」と述べている。
「ホームランでベース一周しなくてもいいことになる」って言葉は、ホントその通りだと思います。
実際に世界で活躍するイチロー選手の言葉には、やはり説得力を感じますね。
ピッチャーが実際に4球投げる間に次のバッターがいろいろと考えたり、監督が作戦を構想したりってのが行われていますからねぇ。
プロ野球の現場の意見
つづいて、プロ野球の現場の声を見てみましょう。
◆巨人高橋監督 投手は万が一のリスクをなくせるというのはある。攻撃面では準備をする時間が減る。今までは4球の間にお互いに考えていた。代打の準備を含めて、1つ前の状況で準備する必要がある。
◆日本ハム栗山監督 急に(前の)打者と勝負すると思って、次の打者が頭を整理しようとした瞬間に準備ができていない。そこで、わざとスパーンと使ったり。そういうのは、お互いやっている。ちょっとした間でバッターが差し込まれるのではないかとか。
引用元:日刊スポーツ 2018年5月8日
現場を指揮する監督の立場では、作戦面でいろいろと考えを巡らせているみたいですが、反対意見は見当たりませんでした。
この他にも、ピッチャーの意見は「暴投のリスク回避」の点でありがたいみたいですよ。
この辺りは先程のイチロー選手の意見にあったようなバッター心理とは対照的ですよね。
つづいて、以上を踏まえての私の意見を書かせてもらいます。
私の私見
私としては野球をやる立場と観る立場の両方を考えても、反対ですね。
理由は主に次の2つ。
- 試合時間の短縮にはならない。
- 4球投げるのが野球。
先ほどご紹介したように、試合時間の短縮にはまったくと言っていいほど貢献していないですよね。
1試合当たり1分にも満たない時間短縮のために、不自然に試合の流れを止めるのは賛成できないんですよね。
イチロー選手も言っているように、「空気感」って野球の楽しみの一つだと思います。
試合時間の短縮は、試合の流れや雰囲気を損なわない部分で行ってもらえるとありがたいですね。
ところで、そもそも申告敬遠ってどういうものかをきちんと説明できますか?
どんなものなのかを確実に言えるかどうか。これもまたプロ野球に申告敬遠が必要かどうかを論じるのに、非常に大切なポイントだと思います。
ってことで、最後に簡単に、申告敬遠がどんなものか。ここをご説明して記事を締めさせていただきます。
そもそも申告敬遠ってどんなもの?
ここでは申告敬遠の、
- 「手続き」「球数のカウント」「ボールカウント」
について確認しておきましょう。
手続きは?
手続き上は、守備側の監督が審判に敬遠を申告し、審判がバッターに一塁へ進むよう指示した時点で成立となります。
簡単ですね。
ピッチャーの投球数のカウントは?
これは、実際には投げていないわけですから、投球数には含まれません。まぁ、当然ですよね。
申告できるボールカウントは?
打席がはじまる時はもちろん、途中でボールカウントが悪くなって場合、つまり打席の途中からでも申告できます。
たとえばボールカウントが3ボール0ストライクになって、ストライクを取りに行く球を狙い撃ちされて、長打されるのを避けるために申告敬遠を使う、なんてことも可能。
これって、次のバッターが困りますよね。勝負すると思って戦況を見つめながら自分への攻め方を考えていたら、突然申告敬遠されて、「いきなり俺と勝負かよ!?」って感じになっちゃいますよね。
では、最後にまとめをご覧ください。
まとめ
申告敬遠って試合時間の短縮にはほとんど無意味のような気がしますね。
敬遠が1試合で20回あったとしたら20分~40分の短縮になるのでしょうが、そんなことは有り得ませんもんね。
MLBが1年で見直し論が起きているところを見ると、日本でも直ぐに見直し論が起こりそうな気がします。
- MLBでは2017年に申告敬遠が導入されたが、早くもその年のシーズンオフに見直し論が浮上している。
- 申告敬遠は試合時間の短縮が狙いだが、2017年のMLBの平均試合時間の短縮効果は約48秒しかなかった。
- 実際の選手や監督の意見は賛否両論ある。
- 野球ファンとして、個人的には反対。理由は、雰囲気を楽しみたいから。
今回は以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました。